2018年2月定例県議会報告


2月定例県議会は2月16日召集され、3月16日までの30日間開かれました。今回の議会には2018年度当初予算、2017年度補正予算のほかに国民健康保険財政安定化基金条例改正案などの条例議案、大震災からの復旧工事請負契約議案などが提案されました。
 新年度予算は総額に盛り込まれた事業には次のようなものがあります。不登校・ひきこもりへ学齢期・卒業後に係らず支援する子ども・若者相談センター設置費、県産ワインと県産農林水産物のマッチングによる加工食品開発や都市農村交流の推進を目指すみやぎマリアージュプロジェクト推進費、移動販売など新たな販売手法により買い物難民支援を目指す地域の買い物機能強化支援費、搬送先短時間確定により搬送時間短縮を目指す救急医療情報システム機能強化費などです。
4月から国民健康保険財政が県一元化され、国からの補助金が今後は県に入るとともに市町村の保険料も県に納付されます。仕組みが大きく変わることから市町村の保険料変動、とくに大きくアップするところが出るのではないかとの危惧が出ていました。昨年10月の試算では29%アップの自治体がありましたが、激変緩和措置の適用などにより最大で5%程度に収まるようです。
 本会議では代表質問3人、一般質問17人が質問に立ちました。被災者の心のケア、防潮堤建設における住民合意、放射能汚染物処理の課題など大震災からの復旧・復興の諸課題が幾人もの議員から取り上げられました。また、深刻化するイノシシなどの野生鳥獣被害対策、農業振興、観光戦略など多岐にわたる課題について知事および関係部局の見解が求められました。
 社民党県議団は本会議一般質問に熊谷義彦県議、予算特別委員会総括質疑に岸田清実県議が立ちました。
 意見書は社民党県議団から「労働者の声を踏まえた真の『働き方改革』の実現を求める意見書案」を会派間交渉に提案し、自民党会派から修正提案がありました。提案の趣旨を損なうものについて再修正したうえで「健やかに働くことができる労働制度『働き方改革』の実現を求める意見書」として合意となりました。







本会議一般質問熊谷義彦県議(2/27)


「国の誤れる農業政策を正し、農業・農村を守るために。」

1.岩手・宮城内陸地震について

内陸地震から、まもなく10年を迎えるが、当時を振り返り、県としての対応が不充分ではなかったかとの思いから、今後の地域振興と住民の方々との懇談の場を求めました。

2.米の生産調整と農業災害補償法について

今年から、米生産調整の法的根拠がなくなり各地方農業再生協議会に数値目標を設定させることとなりました。併せて一反歩7500円の直接支払い金も廃止しました。その中ででてきたのが、収入保険制度の導入です。ナラシ対策、農業共済制度の3つの制度が並存し、基本的には選択制になります。収入保険制度も、ナラシ対策も、底なし沼の岩盤が無い制度であり、米価下落による補償にはなりません。
 米価下落時に、再生産意欲がなくなる政策では国民の生命を守ることはできません。

3.種子法廃止と県の対応について

国会で種子法廃止が決定されたことを受けての県の対応を求めたものです。種子法で、米、麦、大豆の種子の研究・開発を都道府県に義務づけてきました。併せて民間企業(含む外資)に知的財産権を売り渡すことまで求めてきています。穀物メジャーは「種を支配することは世界を制す」としています。また、「今は軍事力の支配では無く、食料で支配する」とまで発言されています。
 米の種子は、宮城県大崎市の古川農業試験場で研究・開発されて、今日まで多大な貢献をしてきています。ササニシキ、ヒトメボレ、ダテマサユメ等々、宮城の米が特Aランクなのは古川農業試験場の方々と農業者の方々の絶ゆまぬ努力の結果です。
 こうした誤れる農業政策を提出してくる政府与党の裏には「農業を岩盤規制、降壁」として扱う米国の要求と、国内に於ける規制改革推進会議の動きにあります。新自由主義による大企業の儲けのためには「競争こそ最大の美徳」とする考えがあります。
 その単的な例が「種子法廃止」に表れています。日米TPP交渉の中で「米国企業の要望を受け入れ、規制改革推進会議に提案・答申する」との考えから、米国穀物メジャーの意向を受け入れたものと言えます。 日本の米種子が穀物メジャーによって交配・研究され、外国で栽培、日本に輸入させられ、国内では穀物メジャーのF1品種を栽培させられる。こうした状況を生み出してはいけない。「農業改革」とは名ばかりで、農業者の所得向上につながらない政策と農業・農村つぶしが強まっているのではないでしょうか。私は大事な米種子を外国に売ったり、民営化したり、種子の値上げをしないことを求めました。結果は「当面は、現在の制度のままで行政執行」することとなりました。



 

予算特別委員会総括質疑岸田清実県議(3/7)


1.上工下水一体官民連携運営

県は2020年度から県が運営する仙南仙塩広域水道など二つの水道用水供給事業と仙塩工業用水道など三つの工業用水道、阿武隈川下流流域下水道など四つの下水道を一体化し、民間に20年間の運営権を任せようとの計画を策定しています。宮城県と内閣府など関係省庁、水道関係企業、シンクタンク・金融機関などが参加する検討会で事業概要安の検討が進んでいます。また、それと並行して2017年度は施設・設備の評価や財務内容の評価などが進められています。一方運営権設定に伴い各種リスクの発生が想定されており、その対応について事業概要案でも検討されているし、受水市町からの懸念、検討会で民間企業からの意見も出されています。
まず私はとくに撤退リスクについて取り上げました。事業者が設定期間途中で撤退してしまうリスクについて市町から課題として指摘され、県はその場合「次の事業者が決まるまで直営で維持する」と説明指摘してきた点について確認を求めました。県は「これまでそのように回答してきたが、今後は『次の事業者が決まるまでの間は引き続き業務を継続することを義務付ける』と変更する」と答弁しました。私は「事業継続ができないから撤退するのであり、引き続きの業務継続は困難ではないか」と指摘し、公営企業管理者もこの点の対応は「不十分」と認めました。
次に県職員の技術の継承、ノウハウの蓄積について質問しました。運営権移行後の民間事業者に対する県のモニタリング(評価)は現行の県職員の監視業務と異なるのか。現在、広域水道で県職員が浄水場運転の監視、点検の他に材器更新、施設維持の仕様書を作成して、入札を行う業務を行っている。一体運営後は発注業務が運営権者に移行するが、県職員数は減るのか。減るとすれば技術継承に問題があるのではないかと指摘しました。県は「必要な人員は適切に措置する」と答えましたが、私は「適切の中身が問題だ」と指摘しました。

2.女川原発再稼動問題

今年中の再稼動も想定される中で私は再稼働が事故・災害による原子炉の暴走、使用済核燃料の増加など一層のリスク増大となるのではないか、その意味では実効性ある避難計画の策定は同意の前提ではないかと知事の所見を求めました。知事は「避難計画だけで判断するものではない」とこれまでと同じ答弁に終始しました。
私は「避難計画だけで同意を決めるものでは無い、総合的に判断する」との答弁だが総合的に判断する際の要素は何と何なのか。それが明らかにならなければ同意は知事のフリーハンドとも聞こえるがどうかと質問したのに対して、知事は「様々な意見を聞いて判断するということ」と答えました。私は住民の安全が確保できる避難計画になっていないことを注視すべきと指摘しました。

3.心のケアセンター

知事は他委員の総括質疑の答弁の中で「市町村に機能を移管することも選択肢の一つ」と述べたのに対して、私は「県がしっかりセンター的機能をいて辞することが重要だ」と指摘、知事は「その点で県は逃げない」と答弁しました。