2016年9月定例県議会報告


乳幼児医療費助成で通院が就学前まで県負担へ

2月定例県議会は2月17日に召集され3月16日までの28日間開かれました。今議会には1兆2200億円(昨年比10.9%減)の2017年度一般会計当初予算や2016年度予算を総会計で852億円減額する補正予算、国民健康保険運営協議会を設置する条例案等15件の条例案、復旧復興工事の契約議案などが提案されました。
 新年度予算にはこれまで通院が3歳未満、入院が就学前だった乳幼児医療費の県から市町村への助成が通院も就学前までに拡大されることになり、このため17億円を計上しました。仙台市はこれを受けて小学校3年生までだった通院助成を新年度から中学校3年生まで拡大することになりました。小学校入学支援費は第3子以降の小学校入学準備に費用を助成するもので新規事業です。
 条例議案に提出されている国民健康保険運営協議会条例案は国保財政の県一元化に向けて重要事項の審議を行うため設置するものです。国民健康保険は2018年度から財政について県単位になる予定で、現在は市町村ごとに保険料やサービスに違いがあるものをどうしていくか検討が必要になっています。
 本会議での代表質問、一般質問は5日間行われ、20人が登壇しました。特徴的に取り上げられたのは住宅再建への支援や仮設住宅での子育て支援などの被災者支援に関わる諸課題、福島第一原発事故に伴う宮城県内の8000ベクレル以下の放射能汚染廃棄物の処理問題、経年劣化と大震災の被害を受けたサンファンパウチスタ号の保存問題などです。放射能汚染廃棄物の処理問題では昨年11月に一斉焼却の方針を県が示し、12月に行われた市町村長会議で一致することができず先送りになっています。本会議では焼却の安全性などについて疑問が提起されました。
 議案に対する賛否ではマイナンバーを県独自事務に利用するための議案に反対しました。
 意見書では会派間協議に「政治分野への男女共同参画を推進するための法整備を求める意見書(案)」「「共謀罪」と同趣旨の「テロ等組織犯罪準備罪」創設に反対する意見書(案)」「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律の廃止を求める意見書(案)」「労働基準法改定案(閣法)の撤回を求める意見書(案)」を提案しましたが、合意に至ったのは「政治分野への男女共同参画を推進するための法整備を求める意見書(案)」のみでした。
 今定例県議会では本会議での一般質問に熊谷義彦県議、予算特別委員会総括質疑に岸田清実県議が立ちました。







常任委員会 熊谷義彦(2/27)


放射能汚染の混焼・農業政策の改悪は許されない

 今回の一般質問では2点にしぼって、質疑を行いました。宮城県は他県に先行し国の施策に従い8000ベクレル以下の汚染物(農業系)を一般廃棄物と混ぜて市町等所有の焼却炉で燃やし、灰は市町等管理の最終処分場に埋めようとしています。放射性物質は、焼いても消えない物質であり、安全に保管することこそが最善の方法であることは明らかであります。しかしながら、長期にわたって農地等に保管されている現状を逆手にとって「混焼しても放射性物質はバグフィルターによって99.9%補促される。よって安全である」との一部学者の見解を理論的根拠にして進めようとしています。他方「バグフィルターによって補促されるのは60〜70%程度」との見解も出されています。「燃やして濃度が高くなった灰を最終処分場に埋める」ことにも多くの課題が出てきます。以上の観点から、以下の質疑を行いました。

(1)国が混焼・堆肥化・すき込み・炭化の処分方法以外には処分の経費・予算を認めないこと
(2)県が前記4処分方法から混焼が最善とした理由を明らかにすること
(3)市町村は一般廃棄物処分に当たっても、安全協定を結び焼却している。県は混焼にあたって安全協定を結ぶ覚悟はあるのか。
(4)安全であるなら県仮設焼却施設を何故作らないのか
(5)測定結果はあくまで推計値であり、濃度の高い物も含まれている。また、未指定廃棄物を混焼対象とすることは誤りと思うが否か
(6)混焼時バグフィルターによって99.9%の放射性が補促されるとの科学的根拠は何か
(7)環境省資料では550万ベクレルまで安全との資料があるがこの根拠は何か
 放射性問題で30点について質疑を交わしましたが、環境省等の見解を繰り返すのみに終始しました。
 また、農業問題では米問題を中心に議論し、今日の農業政策の改悪に絶対反対であることと所得補償法への転換を強く求めました。
(1)現状でも各都道府県に於いて米生産数量を守らない自治体がある
(2)30年からは法的拘束力がなくなる生産調整によって米価が更に下がる心配
(3)10アール7500円の交付金が廃止されることによって経営不安が更に進むこと
(4)米に対する所得補償制度の導入をはかること
(5)誤った農政でも、早急に説明会を開催すること
 以上を提起しました。



 

予算特別委員会で総括質疑 岸田清実(3/7)


原子力災害での広域避難計画の課題を指摘

3月7日議員全員で構成する予算特別委員会で総括質疑を行いました。
東日本大震災で起きた福島第一原発事故を受けて国は原発から30q以内にかかる自治体に広域避難計画の策定を義務付けました。宮城県内では女川原発周辺の女川町など7市町が3月末までに避難計画を策定し、石巻市は県内27市町に304か所の避難所を設置する計画です。しかし多くの課題を内包しており、今のままでは実際に避難を行なえる計画とは言えません。私は課題を具体的に指摘し、県の対応を求めました。

要支援者避難へ県がバス協会と協議を

避難計画では基本的に自家用車での避難となっていますが、高齢者などの要支援者は自治体が用意するバスで避難する計画です。当初県は各自治体がそれぞれに県バス協会と協議することを求めていましたが、私は県が代表して県バス協会と協議するようを求めました。さらにその際にバスドライバーの安全確保をどう行うのか、刻々変化する状況把握と緊急時の指示系統を示す必要性を指摘しました。福島第一原発事故では放射線量の高い地域にそのことを知らされずに向かわされた例もありました。

検査ポイント・資機材の十分な準備を

避難コース上に放射能検査を行うスクリーニングポイントを県の責任で設置しなければなりませんが、7市町の避難計画がそろった現在でもどこにそれを設置するかが確定していません。市町の避難計画が策定されてもこれでは実効性がありません。しかも想定される個所数分だけ検査機器がそろっていません。

福祉施設の避難計画に支援を

介護施設などは避難先を確保したうえで避難計画を作る必要がありますが、避難先確保ができないために策定が進んでいません。県として避難先確保への支援などを進めていく必要があることを指摘しました。



 

2月定例県議会で社民党県議団提案により議決された意見書


政治分野への男女共同参画を推進するための法整備を求める意見書

今年は我が国での女性参政権行使から71年が経つ。しかし、列国議会同盟(IPU)の世界女性国会議員データによると、平成29年1月1日現在、世界全体における女性議員の割合は、下院22.9%、上院23.4%であるのに対して、我が国は、衆議院9.3%(193カ国中163位)、参議院20.7%(78カ国中42位)と極めて低い現状にある。
地方議会においても、平成27年12月現在、女性議員の割合は、都道府県議会9.8%、市町村議会12.7%に過ぎず、また、女性議員が1人もいないいわゆる「女性ゼロ議会」は、全体の2割を超えるとの報道がなされている。
社会経済情勢が大きく揺れ動き、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)、少子化、高齢社会、社会保障、食糧・環境問題など重要な政治課題について、公平で持続的な施策が求められる中、政策決定の場に女性の参画は不可欠である。また、政府は、女性の活躍推進を大きく掲げており、女性議員の増加はまさに焦眉の課題にほかならない。
諸外国に目を向けると、女性議員をふやすための法制度を整備している国々は、目覚ましい効果を上げており、日本も学ぶべきである。
よって、国においては、国会及び地方議会の両議会において、女性議員の増加を促し、政策の立案及び決定に男女が共同して参画する機会を確保するため、政治分野への男女共同参画を推進するための法整備を速やかに進めるよう強く要望する。