2016年6月定例県議会報告


   6月定例県議会は6月15日開会され、7月5日までの21日間開かれました。今議会には138億円余の補正予算案、16件の条例議案などが提案されました。補正予算には宮城県広域防災拠点整備に向けたJR貨物宮城野原駅用地取得のための経費である96億円余および後年度支払い分41億円余の債務負担行為設定が含まれています。今後、JRへの貨物駅機能移転補償等が加わって総額は約300億円にもなり、国の補助金を差し引いても県負担は140億円になります。選定過程での評価で大崎市三本木の県有地との差は僅かであり、広域防災拠点が何故巨額の県費を投じる必要がある宮城野原でなければならないのか理解できません。今議会では自民党会派議員を含めて疑問や批判が相次ぎました。社民党県議団からは熊谷義彦県議が予算総括質疑でこの議案を追及しました。知事や担当部長の答弁は提起された疑問に十分答えたものにはならず、社民党県議団は本議案に反対しました。

   条例議案ではマイナンバー制度に関連して特別支援教育就学奨励費補助金や療育手帳交付事務などに同制度を通じて部局間で情報連携させるための条例改正が提案されました。マイナンバー制度は来年7月から本格運用されますが、いまだに多くの問題点が解決されずにいることから、同議案に反対しました。また来年4月からの消費税10%への増税を前提とした県税条例改正案が提案されたため反対しました。補正予算、条例議案ともに全議案が賛成多数で可決されました。

   意見書では社民党県議団から「原子力発電所の運転停止を求める意見書案」を会派間協議に提案しましたが、不調に終わりました。「沖縄県の米軍属による女性暴行殺害事件に関して再発防止を求める意見書」など5件が全会一致で可決されました。   今議会では予算総括質疑に熊谷義彦県議が立ちました。



予算総括質疑  熊谷 義彦 (6/29)

【活断層の直近には許されない】


   6月29日に行われた予算特別委員会総括質疑で宮城県広域防災拠点を仙台市宮城野原(JR貨物宮城野原駅)に設置しようとの議案に反対し、討論しました。今回の案はコボスタ球場南側に隣接するJR貨物ターミナル駅17fを新規に購入し防災拠点として整備するものであり、総額約300億円もの経費をかけるものです。しかも長町・利府活断層の直近に位置しています。

   私達は、防災拠点の必要性は理解するものの「何故にこの場所なのか、他の県有地の活用をすべきではないか」との疑問を持ち質疑をしました。以下、質問要旨を掲載します。

(1)知事のトップダウンでの検討指示の根拠はなにか 
(2)故本多議員質疑でも、活断層と防災時の交通的困難性については答弁していない 
(3)候補地として三本木県有地等の県有財産を活用しないのは何故か。また、三本木県有地を東北の防災拠点にとの発言もあるが、東北の他県、国との協議はどうなっているのか 
(4)仙台市を含めて検討協議をしてきたが、仙台市との協議結果及び政令都市である仙台市が負担をしない理由は何か。仙台市は防災拠点を必要としないのか
(5)基幹防災病院が近いことを理由にしているが尚更、政令市仙台との協議、応分負担を求めるべきではないか 
(6)医療エリア、集結宿営エリア、物資流通エリア、医療エリア等について県有地を分散活用する方法もあるのではないか 
(7)緊急時(本震余震)に防災拠点機能を充分に果たせないのではないか(避難者との混在、道路条件等)
(8)県財政を考えた上でも、莫大な支出を宮城野原に集中すべきではない。既存県有地を活用すべきである

   以上の質疑提言を持ち質疑準備をしてきました。本会議等にでも他会派議員からも質疑・批判が数多く提出されていました。しかしながら、社民党会派の持ち時間は10分しかなく、充分に質疑・反論することができませんでした。

   更に、知事から反問権の行使という異常な行動もあり、残念でなりませんでした。今後とも、この防災拠点(宮城野原)問題は注視・監視していく必要があります。

 

環境生活農政委員会


   2015年 熊本地震派遣職員経費、土地改良費、二口林道改良費等々の補正予算が提出され、賛成しました。

   所管事項では、放射能汚染物の再測定と今後の県方針について質しましたが、県の最終方針は協議中との事でした。また、今年は熊の出没が各地でみられることから、その対策を強く求めました。市町村→県(出先合同庁舎)→警察・猟友会との連絡体制の中で、捕獲・射殺の許可権は県の出先機関が保有していることが判明しました。しかし、熊が出現してから何等かの許可がおりるまでは時間がかかること、猟友会員の減少もあり、各警察署に熊射撃のライフル隊を設置すべきことを求めました。(ただし国の法律改正が必要となります)



 経済商工観光委員会 岸田 清実 



   今議会で行われた経済商工観光委員会には手数料条例の一部を改正する条例案など2件の条例改正案が提案され、全会一致で可決されました。

   執行部からの各種報告事項のうちみやぎ発展税の2015年度実績の報告に対して質疑しました。みやぎ発展税は県税である法人事業税を5%超過課税し、企業誘致などに活用するものですが、企業誘致による雇用者増が他県からの企業移転に伴うものが主になっているのではないかと指摘し、企業誘致による県内での新規雇用創出について把握すべきと求めました。また、企業の都合による撤退や工場閉鎖が発生しており、企業誘致にはリスク面があることも踏まえていくことが重要であることを指摘しました。



意見書

 
沖縄県の米軍属による女性暴行殺害事件に関して再発防止を求める意見書


 去る本年四月二十八日から行方不明であった沖縄県うるま市の女性が五月十九日に遺体で発見され、嘉手納基地内で働く元海兵隊員の米軍属が逮捕される事件が発生した。今年成人式を迎えたばかりの希望に燃えた若い女性の命が奪われたことは極めて遺憾である。

 国内の米軍専用施設の約七四%を占める沖縄県においては、米軍施設から派生する事件・事故、航空機騒音、環境問題及び米軍人・軍属等による犯罪が、戦後七十年を経た今日においてもなお後を絶たず、地域住民の生活に多大な影響を及ぼしている。

 日米地位協定は、昭和三十五年に締結されて以来、五十年以上が経過しており、これまで運用改善や環境補足協定の締結がなされてはいるものの、米軍施設から派生するさまざまな事件・事故等から国民の生命・財産と人権を守るには不十分であると言わざるを得ない。

 よって、国においては、今回の事件に鑑み、米国政府と連携して、米軍人・軍属の綱紀粛正及び事件・事故防止を徹底するとともに、日米地位協定については、あるべき姿を検討するよう強く要望する。
 
 
子どもの医療費助成への国民健康保険の国庫負担減額調整措置廃止を求める意見書


 我が国の少子化は深刻な事態にあり、若い世代の希望がかない、安心して結婚・子育てのできる環境の整備は、喫緊の課題となっている。

 子どもの医療費助成は、疾病の治療を要する子育て世帯の負担軽減を図ることを目的として、全ての都道府県において行われているが、国は、地方単独事業により子どもの医療費の窓口負担を無料化・軽減している地方自治体に対し、国民健康保険の国庫負担減額調整措置を行ってきた。国は、全国知事会等の減額調整措置廃止を求める声に押され、今春には結論を出すとしていたが、「ニッポン一億総活躍プラン」において年末まで結論を得ることとした。

 減額調整措置による地方自治体の財政負担は、少子化対策等の施策推進において大きな支障になっている。

 よって、国においては、地方自治体が行う子どもの医療費助成に係る国民健康保険の国庫負担減額調整措置を早急に廃止するよう強く要望する。