2月定例県議会報告


2月定例県議会は2月16日から3月15日までの29日間開かれ、2015年度補正と2016年度当初の各予算議案、がん登録情報利用等審議会条例制定をはじめとする条例議案、大震災復旧関連工事の請負工事契約議案などが提案されました。2016年度当初予算は一般会計で過去五番目の規模となる1兆3,744億円(震災関連分4,833億円を含む)となり、2010年度以降の震災対応予算は累計で5兆3,522億円になります。主なものは災害公営住宅整備支援費34億5,863万円、医学部設置支援費30億100万円、ドクターヘリ運航費2億3,538万円、いじめ・不登校対策費2億4,450万円などです。また、子どもの貧困対策費に1,600万円が計上され、貧困の実態調査、フードバンク活動調査などが新年度に行われることになりました。大震災復旧工事では道路や護岸の工事請負契約議案が多数提案されましたが、宮城野区にある蒲生干潟で国設鳥獣保護区特別保護地区にはみ出す形で整備しようとする護岸工事案件に社民党県議団は反対しました。  一般質問には18人が登壇し、大震災からの復旧・復興をはじめ県政の課題が取り上げられましたが、とりわけ7人が放射能問題、原発問題に言及しました。8000ベクレル超の指定廃棄物最終処分場詳細調査候補地が三ヶ所とも返上を申し出ていることへの県の対応、女川原発再稼動問題、広域避難計画の策定状況などに関して知事の所見を質しました。

 昨年12月に発足した脱原発をめざす宮城県議の会(20人)は3月15日に『脱原発法制定全国ネットワーク』代表世話人の河合弘之弁護士を迎え「伝えたいのは隠された真実」と題して河合弁護士監督の映画上映と講演を行いました。社民党県議団は同県議の会の事務局長を務めています。

 意見書では社民党県議団から「奨学金制度の拡充等を求める意見書」を会派間協議に提案し、全会一致で採択されました。この他に「環太平洋パートナーシップ(TPP)協定に関する意見書」他5件を全会一致で採択しました。  今議会では本会議一般質問に熊谷義彦、予算特別委員会総括質疑に岸田清実が立ちました。



一般質問  熊谷 義彦 (2/29)

焼却処分は誤り、暫定保管を国に求めよ!!


 放射能汚染物の問題を中心に質疑を行いました。脱原発を大前提にし、現状の県内放射能汚染物対策に、疑問と提案を含めて質疑を行いました。(1)東京電力は、汚染物の所有権と県民への謝罪を明確にすること(2)汚染者責任と完全なる損害賠償(3)原発神話による行政責任と事故後の危機管理と対応の欠如(4)原発事故による健康被害調査等について最初に質問をしました。

 続いて、指定廃棄物(8千ベクレル以上)市町村焼却処分(8千ベクレル以下)について問題点を指摘しました。(1)8千ベクレルを基準にした問題(2)焼却に伴うバグフィルターの捕捉率、汚染された機器の処分(3)廃棄物処理法(一般廃棄物)では、放射性物質を含んだ物は除外していること(4)市町での焼却施設は物理的に焼却能力を超えていること等を指摘し、一般廃棄物と混焼しての処分は、法的にも物理的にも不可能であることを指摘しました。

 三点目に県内三候補地選定の問題点を指摘しました。20年以上も前のデータを使ってガケ崩れの危険性、活断層の存在が明らかな中で、事前調査もしないで候補地を決定した誤りを質しました。

 最後に、茨城県の方式を参考に、現時点で宮城県としてとりうる最善の方法を求めて次のように提案しました。現時点では、他県、宮城県内、共に焼却最終処分は不可能であることを認めること。併せて現在の一時保管の現状が杜撰であることから、最低でも栗原市内一時保管施設の方式を採用して厳重に管理しながら汚染稲わらを中心としてコンパクト化、ペレット化すること(8千ベクレル以上、以下全て)。その上で各市町村毎(圏域毎)にコンクリート建屋の中で厳重に保管すること。コンクリート建屋での保管は暫定的保管施設であり、県外での最終処分地を早急に検討することを求めました。

 現時点での、住民の安全・安心を前提に、最善の保管を強く求めました。

 

予算総括質疑 (3/4) 岸 田 清 実


 2015年度補正予算、2016年度当初予算の審議を行う予算特別委員会の総括質疑(全議員参加)が3月3、4日に行われ、私は二日目の4日に質疑を行いました。質疑時間は会派の所属議員数に応じて割り振られるため社民党県議団の持ち時間は答弁を含めて20分でした。はじめにまちなか創業チャレンジャー支援事業を取り上げました。全国15000の商店街が厳しい状況にあることを指摘しつつ、空き店舗発生の原因と解消の課題について県の所見を求めました。チャレンジショップ整備などに支援する「まちなか創業チャレンジャー支援事業」に関しては地域の商工会議所との連携の必要性、チャレンジショップ利用者の定着に向けて複数年の支援の重要性などを指摘。また県が策定した「中小企業・小規模事業者振興基本計画」との関連で大企業(大型店舗)の地域商店街への協力が一層必要であることを述べ、県の見解を求めました。
 次に子どもの貧困対策費を取り上げました。新年度予算では子どもの貧困の実態調査を行うとともに家庭や福祉施設へ食料提供するフードバンクの活動状況の把握などを行うことになっています。私は富谷町にあるコープフードバンクを事前に訪問し、活動状況や課題をヒアリングしました。食品を提供する企業の拡大を図るうえでフードバンク実施団体の信頼性や提供企業の企業イメージが向上する制度創設を提案し所見を求めました。



意見書


 2月定例県議会で採択された意見書のうち二本を掲載します。奨学金制度の拡充等を求める意見書は社民党県議団提案です。

 
奨学金制度の拡充等を求める意見書


 近年、家庭における教育費の負担については、さらなる軽減が求められている。

 公的な奨学金制度の中心である独立行政法人日本学生支援機構による奨学金は、貸与型の奨学金であり、無利息の第一種奨学金と年三%を上限とする利息つきの第二種奨学金があるが、第二種奨学金の割合は貸与金額ベースで七割超となっている。大学等の学費は高騰しており、すでに大学生の五割超、大学院生の六割超が何らかの奨学金の貸与を受けなくては、学業を続けられないのが実態である一方で、学生の就職難や非正規労働の増加等から、卒業後も奨学金の返還に窮する若者が急増している。同機構は、返還が難しい場合の救済として、返還期限猶予や減額返還等の制度を設けているが、適用は限定的である。

 よって、国においては、学習意欲と能力ある若者が家庭の経済状況にかかわらず進学し、安心して学業に専念できる環境をつくるため、次の事項を実現するよう強く要望する。

一 「高校生等奨学給付金事業」についてはさらなる制度の拡充を行うこと。また、大学生等を対象とした給付制度についても、あわせて検討すること。 二 無利子奨学金を充実させ、延滞の場合に加算される利息については、さらに引き下げること。

三 貸与型奨学金に係る返還期限猶予、返還免除、減額返還制度の拡充と周知を図り、柔軟に適用させること。
 
 
環太平洋パートナーシップ(TPP)協定に関する意見書


環太平洋パートナーシップ(以下「TPP」という。)協定交渉は、平成27年10月5日、米国アトランタで開催された閣僚会合において大筋合意に至り、平成二十八年二月四日には、ニュージーランドのオークランドにおいて、参加十二カ国により協定文書への署名が行われた。

しかし、合意した内容について十分な情報開示がされているとは言えないことから、平成25年4月の衆参両院の農林水産委員会における「環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉参加に関する決議」が遵守されているかどうかを含め、我が国の国益がどのように守られているのか、また、どの分野にどのような影響があるのかなど、TPPに関する国民の理解は十分に得られていない。

国は、平成27年11月25日に、TPPの効果を真に我が国の経済再生、地方創生に直結させるために必要な政策及びTPPの影響に関する国民の不安を払拭する政策の目標を明らかにするための「総合的なTPP関連政策大綱」を発表したが、特に本県の基幹産業である農林水産業関係者からは、TPPの影響に関する懸念や将来の経営に対する不安の声が上がっている。 よって、国においては、TPP協定に関する次の事項について、特段の措置を講ずるよう強く要望する。


一 TPP協定の内容について、これまで以上に丁寧な情報提供を行うこと。


二 TPP協定の内容が衆参両院の農林水産委員会の決議を遵守しているかどうかについて、国会において十分な検証及び審議を行い、TPP協定批准の可否について慎重に判断すること。


三 TPP協定が農業を初めとするさまざまな分野に与える影響等について十分精査し、産業振興施策の充実等国民生活に不安を与えない希望の持てる対策を確立すること。