宮城県議会2015年9月定例会の概要


 9月定例県議会は9月3日から10月5日までの33日間開かれました。今議会には一般会計で22億4千8百万円の補正予算や大震災関係の復旧・復興工事の請負契約、2014年度決算などの議案が提案されました。補正予算では多くの町職員が犠牲になった南三陸町防災対策庁舎の一時保存に向けた調査設計費等が計上されました。2014年度決算は前年度より減ったとはいえ一般会計で1兆4千7百33億円と大震災以前に比べて1.7倍と依然として巨額となっています。復興事業の集中によって人材・資材不足、原価の高騰によって工事に遅れが生じ、1千億円を越す執行残が発生しました。この問題は現在でも続いています。

 本会議での一般質問には16人が登壇し、大震災からの復旧・復興の課題、大崎市や大和町をはじめとした9.11水害対策、福島第一原発由来の放射能汚染物処理問題などが取り上げられました。今回の県議会は参議院での安保法制審議のヤマ場と重なったことから、国政野党につながる議員が積極的に取り上げて知事の所見を求めました。社民党県議団の本多祐一朗県議も一般質問で取り上げ、「憲法違反が指摘される安保法案については国民の6割以上が反対しており平和国家の歩みを変更させるな」と主張しました。

 今議会には「宮城県薬物の濫用の防止に関する条例案」が議員提案されましたが、事前の仙台地方検察庁との協議で「黙秘権の否定など憲法違反の可能性」が文書で指摘され、議会中には仙台弁護士会から同様の理由で反対の会長声明が出されました。社民党県議団は法律運用の専門機関からの「憲法違反」の指摘を受け止めるべきだと主張しましたが、受け入れられず、自民、改革みやぎ(民主系)、公明等の賛成多数で可決されました。

 今議会に社民党県議団は「戦争準備法制定に反対する意見書案」「原子力発電所の再稼動中止を求める意見書案」「労働基準法等の一部を改正する法律案の撤回を求める意見書案」を各会派に示して協議しましたが一致を見ずに成案となりませんでした。

 今議会では本会議一般質問に本多祐一朗、予算総括質疑に佐藤詔雄、決算総括質疑に岩渕義教、定例議会直前の来年度予算調製方針質疑に岸田清実が立ちました。



一般質問 本 多 祐 一 朗 (9/16)
 

私は9月16日、本会議で最後の一般質問を行いました。


現行憲法と「安保関連」法案

 憲法違反が指摘される安保法案について私は、「国民の8割が説明不足であるとし、6割が今国会での成立に反対しており与党が強行採決を行うのは国民世論に背を向けた暴挙だ。平和国家の歩みを変更させてはいけない」と強く訴えました。


東日本大震災からの復旧・復興の課題

 また、復旧・復興については大震災から4年半が経過し、公共事業などハード事業は遅れ気味とは言え、比較的順調に進んだ反面、被災者の生活再建(住まいや生業の再建、人間の復興)は遅れています。私は課題を1つひとつ取り上げ改善を求めるとともに「公共事業をはじめハード事業に偏った予算配分を被災者の生活再建につながるソフト事業等に振り向けるよう」求めました。

 村井知事は、「これまでは復旧事業が中心でハード事業に偏った面があるが、これからは被災者の生活再建などソフト事業も重視した予算を組みたい。県の復興基金も活用したい」と決意を述べました。


介護体制並びに介護人材の充実・確保制度改正

 また、介護保険をめぐる厳しい環境の中で、建築費の高騰から特別養護老人ホームなど介護施設の建設をためらう事業者が出てきている問題を取り上げ、実勢価格を反映した交付金の上乗せを国に働きかけるべきだと求めました。また介護事業に携わる働く人々の不足が深刻であり、当面、地域包括支援センターの体制強化に取り組むとともに、介護人材の育成、待遇改善・確保、定着に向けたこれまでの施策の総点検と実効性のある取組を求めました。



予算総括質疑(9/18) 佐 藤 詔 雄


 私は予算特別委員会において、会派代表として下記の課題について総括質疑を行いました。


「農地中間管理事業の推進に関する基本方針」

 平成35年度における担い手の農地集積率を9割とすることが目標として掲げられている。平成26年度までの農地集積の実績及びそのうち農地中間管理業を含む借入の実績とそれぞれの目標の達成状況について。また、機構集積協力金には地域集積協力金、経営転換協力金、耕作者集積協力金があるが、それぞれの予算設置の状況はどうか、4月16日に開催された「宮城県農地集積推進本部・地方推進本部合同会議」において、本年度の集積目標である4.560ヘクタールの実現に向けて、地域集積協力金により候補地域の早期のとりまとめと迅速な取組を進めるなど、5項目の取組を推進するとしているが、現在、具体的な取組状況、また現在、経営転換協力金、耕作者集積協力金については、有効に活用するための取組にどのような工夫を行っているのか等について質疑を行った。


河川事業費(公共事業)について

 9月補正予算の河川事業費に松川火山砂防事業が含まれていると聞いているが、その事業期間や施設の整備内容などの全体計画、平成27年度事業の進捗状況、並びに来年度以降事業の見込み、現在問題となっている工事箇所について、用地境界・用地補償の問題はどう解決していくのか、また蔵王山の火山活動が活発化して以降、地元では、松川の堤防嵩上げによる補強工事、とりわけ河川幅員が一番せまく大雨が降るたび並行して走っている県道白石遠刈田線いぼいわ地区は崖崩れが発生する極めて危険な地域でもあります。
 河川対策の強化を求める声が大変多くなっているが、現在の検討状況はどうか等。こうした状況に一日も早く対応し住民の安全・安心を確保するため、松川火山砂防事業等に予算・人員を重点的に配置するなどより一層取組を図る必要があると思うがどうか等質疑を行った。

 執行部の回答は財政的な問題に終始しているが、国内至る箇所において災害が発生しており、国・県・市町村はいずれも予想外であったと答えているが、今日の状況を見れば早期の対応が重要である。

 

決算特別委員会総括質疑(9/29) 岩 渕 義 教


 9月29日、決算特別委員会が開かれ、社民党県議団会長として私が会派を代表して総括質疑に立ち「知事並びに執行部の皆さんとの最後のキャッチボール」となり5期20年間に亘って県政に参加し県民生活の向上に関わることができたことに感謝を述べた。


〈震災復興・再生について〉

 @再生期に入り復興予算は上積みにより復興の加速化が図られた一方で、被災県・市町では用地取得の難航、資材不足と高騰、マンパワー不足、入札不調などにより計画が遅れ、被災者の生活再建、産業の再建などの復興の姿が良く見えなくなっているのではないか。

 A結果として、被災生活が長期化する中、被災者の心身のバランスの保持増進を図る為に心のケアセンターの充実、サポートセンターの活動などで被災者に目配りする側の職員の負担が重くなっているとの報告を聞いているが、現状と課題について質した。

 B復興を成し遂げるためには、豊富な行政経験を有する職員派遣などの支援は必須条件。平成24年7月に実施した健康調査の結果、職員の過労、燃え尽き症候群、メンタル面の不調を示していることから「復興・再生に向け被災地の職員や派遣職員が働き続けられる環境の整備が重要」と警鐘が訴えられている。職員確保策、健康状態、メンタルヘルス対策など労働環境の整備への取り組みについて質した。

 村井知事は、「各市町においては、被災者の生活再建や産業再生など様々な問題が生じている。今後とも、課題の解決を目指していく。」「県は、これまで489名の任期付職員の採用や全国自治体から述べ1.741名の職員を受け入れてきたが、ピークを迎える復旧・復興事業に十分に対応できる職員数が確保できない」と答え、引き続き県としてその確保に鋭意怒めていくこととした。


〈安全安心の防災体制について〉

 
9.11「関東・東北豪雨」は宮城にも大雨特別警報がだされ、渋井川(大崎市)の堤防決壊によって大規模な風水害が発生。特にその影響を受けやすい中小河川で甚大な被害が発生していることを指摘し、鳴瀬川水系治水安全評価による渋井川の安全評価は10年に一度程度の降雨に未対応区間とされており、県管理河川の防災対策をとっていればこれほど大きな被害にならなかったのではないかと質した。

 県執行部は「局地的な豪雨の影響を受けやすい中小河川の治水対策と危機管理対応のため、平成20年度、航空レーザー測量を活用した治水安全度評価を行い、公表した。」とし、岩渕議員は、中小河川の安全度向上のため、土盛築堤の老朽化対策と監視・点検・補強などの事業見直しが重要と知事に求めた。

 知事は、「重要な指摘と受けとめ、事業計画の見直しや護岸整備など供水への強化対策の検討、及び「河川維持管理計画」の見直しを行うことにより、計画的な整備と適切な維持管理に努めていく」と答えた。

 
 
予算特別委・保健福祉委 岸 田 清 実


来年度にむけた予算調製方針に関して県議会予算特別委員会が9月1日に開かれ、私は社民党県議団を代表して質疑しました。

9月28日に議員提案条例である「宮城県薬物の濫用の防止に関する条例案」が保健福祉委員会で審議となり、提案者である伊藤県議が委員会で説明して質疑が行われました。


零細店舗再建支援

 第一に復興にむけた具体的な施策の内、商業店舗などを対象とした「商業機能回復支援補助金」を取り上げ、家賃補助の復活など使い勝手の良いものにしていくことを求めました。


国保県一元化の進め方を問う

 2018年度から国保精度が大きく変化し、財政は県が責任を持ち保険証の発行や保険料の徴収などを市町村が行うことになりますが、市町村の保険料の算定や納付金の決定システムなど課題山積です。来年度の取り組み等について知事の考えを質しました。


保健福祉委員会

 警察職員の立ち入り調査権限をめぐって私は最高裁大法廷判決の内容を示して「捜査につながる資料収集などの行政調査は最高裁判決で違法とされている」と指摘して議論しましたが、採決に持ち込まれて可決されました。

 この他に執行部からの報告で応急仮設住宅等の「特定延長(災害公営住宅の完成遅れなどの場合居住延長)」の状況が示され、私は「特定延長」に該当しないが行き先の決まっていない人への丁寧な対応を求めました。