宮城県議会2014年9月定例会の概要




 9月定例県議会は9月17日召集され、10月16日までの30日間開かれました。今議会に提案された21億円余の補正予算は東日本大震災関連の復旧・復興経費を予算化したほか、国の内示等に伴う公共事業費や制度改正等に伴う特定疾患と小児性特定疾患の治療費助成の拡充などが予算化されました。大震災復旧・復興関連では公共土木施設の復旧や補修、災害公営住宅や被災地の農業基盤整備、被災した医療機関などへの復旧支援のほか、移転新築される仙石線野蒜駅へのエレベーター設置支援や県産品への信頼回復に必要な経費が計上されています。このほか女川原発2号機の安全性に関する検討会の設置や東京アンテナショップのリニューアル、本県にふるさと納税をした県外在住者に対する特産品送付などに要する経費が措置されました。女川原発関係の検討会については今年度中に4回程度の会合を予定する予算とのことですが、独自の立場で徹底した安全性の検討が行われる必要があり、選定される委員の東北電力との関係について確認するよう求めました。

 予算外議案では復旧・復興関係諸工事の契約議案や来年4月からの新たな子育て支援制度に伴う条例改正などが提案され、全議案が承認されました。議会の後半では2013年度決算の審査が行われ、認定されました。

 定例県議会では今年産米の著しい価格下落に対して「米価下落に対応した緊急対策を求める意見書」を全会一致で可決し国の関係省庁に送付しました。この他「東日本大震災からの復旧・復興のための財政支援の継続を求める意見書」など4件の意見書が採択されました。社民党は「オスプレイの佐賀空港配備と低空飛行訓練等の全国運用中止を求める意見書」及び「消費税の税率引き上げ決定に反対する意見書」を会派間協議に提案しましたが、自民党会派などの反対で不調になりました。

 今議会では佐藤詔雄県議が一般質問、岸田清実県議が予算総括質疑、岩渕義教県議が決算総括質疑を行いました。 



主要課題について9月定例県議会で一般質問
 佐 藤 詔 雄 

 今年の天候は大風・大雨等によって、各地で土砂災害が頻繁しており、同時に2年連続で米の値下げとなったことを受け、10月1日、一般質問でこの問題について県当局の対応、対策を質しました。(下記内容は主要部分のみ)


<土砂災害対策について>

1、土砂災害指定が宮城県は東北6県の中で1番低く、全国でワ−スト2位の低さなっていることからこの問題について質した。土砂災害警戒区域の指定は、土砂災害防止法の目的達成のための要であるが、わが県の指定は他県に比べて遅れている。県内では危険個所に対する警戒区域の指定率は、15、1%にとどまっているが、この事実についてどう考えているかと言う質問に対し「わが県の土砂災害危険個所8.482か所のうち、土砂災害警戒区域の指定しているのは、先月9日現在1.280か所、指定率で15.1%と全国的にも著しく低い水準にとどまっており、土砂災害から県民の生命を守るため早急に指定を進めることが急務であると認識をしている」との回答があった。

2、わが県で土砂災害警戒区域が進んでいない理由について地域性等を含めてどうか。また指定に向けてこれまでどう取り組んできたのかとの質問に対し「3県の災害警戒区域の指定が進まない理由については基礎調査の精度を高めるため詳細に実施したこと、東日本大震災による復旧・復興の途上にあって、沿岸部を中心に基礎調査が停滞したことなど挙げられます。このことから、県では、基礎調査を可能な限り簡略化して、時間や費用の削減に努めるとともに、土砂災害防止法の趣旨を十分に理解していただくため、地区ごとに関係市町村と連携して説明会を開催し、指定に取り組んできた」と回答した。


<農業の課題について>

 燃料や資材価格の高騰で経費が膨らむ中、米の低価格が続けば米作りをやめる農家が出てくるとの懸念もある。国に過剰米対策を要請するとともに、全農が生産者に追加払いできるよう販売努力することなどについて、県として対応すべきと思うがどうかとの質問に対し「過剰米対策については、北海道東北地方知事会の緊急要望として、米の需給バランスの改善に向け、国が主導して過剰米を主食用市場から隔離する対策を講じるよう要請した。販売促進については宮城米づくり推進本部を始め、全農や宮城米マ-ケティング推進機構などが一丸なり取り組む」と回答した。 



予算特別委員会(来年度予算調整方針総括質疑)

岩 渕 義 教  

 9月11日、予算特別委員会が開かれました。この委員会は宮城県の来年度基本方針としての予算調整方針の説明を受けて県議会各会派から、村井知事並びに各部局長に対して質疑が行われた。

 社民党県議団からは、岩渕県議が震災の復興、被災者支援の取組を取り上げた。国支出の5年間の集中復興期間は25兆円を上回る見込みであることを指摘。本県の復旧・復興の事業費総額は、県・市町分を合わせて29.5兆円が見込まれ、そのうち国の集中復興期間の5年間をすぎる平成28年度以降の事業費が2.5兆円を見込んでいることから、本県の復興計画、被災者の生活再建・産業の再生などに大きな障害となることに国は応える責務があること知事に質した。村井知事は「ご指摘のとおり、復興事業を完成するために、国に引き続きの財政確保を求めていく」と答えた。また、土砂災害対策の取組み、被災者の健康調査や心のケアセンターにおける取組みの継続とスタッフの確保などについて質した。

 決算特別委員会(総括質疑)

 10月9日、決算特別委員会が行われ、平成25年度県政事業執行と収入歳出の執行審査のため、社民党会派を代表して岩渕県議が総括質疑を行い村井知事をはじめ執行部に答弁を求めた。主な質疑内容は次のとおりです。


1,東日本大震災復興基金等の活用について

 (1)平成25年度当初における東日本大震災復興基金の残高390億円のうち、年度中に132億円の取崩しを予定していたが、90億円余の活用に留まった。予算と執行が乖離した原因について、(2)昨年被災者の医療費の減免措置の継続を中断し、国からの財政支援によって再開されたが、県は慎重な姿勢が目立つ。今後、新たな行政ニーズに柔軟に対応できるように財政調整基金等の有効活用が必要ではないか。


2,中小企業等グループ補助金について

 平成25年度のグループ補助金の支援状況は、認定された251事業者のうち完了は12事業者と進捗率は5%に留まっており、復興の加速化に大きな影響を及ぼしているのではないか、などという点について質した。また、被災者の働く場の確保について質した。被災者では、人口流出が未だに続いている。水産加工業の有効求人倍率は、県全体で2.42倍と高水準になっており、働き手の確保が困難な状況となっている。期間産業である水産加工業の復興に当たり、生産能力が回復しない要因は何か。また、働き手を確保するには、どういう支援が必要か。

 村井知事は「現在、雇用確保し、産業の回復を図るために、政府に対し雇用特区を検討している。そのため、雇用環境、宿舎等住環境の整備についても良く検討していかなければならない」などと答えた。

 

 予算特別委員会(総括質疑)
 岸 田 清 実 
 

 県議全員で構成される予算特別委員会で補正予算に対する総括質疑が10月3日に行われ、社民党県議団を代表して総括質疑を行った。

 最初に女川原発2号機の安全性検討会に関する予算を取り上げた。今議会では委員の旅費、会場費などに200万円が計上され、10人程度の委員を選任される予定とされました。検討会は委員間の討議でテーマなどを設定していくことになっていますが、県としても提案はするということでその内容を質しました。

 2点目は施設開設経費助成特別対策費を取り上げました。これまで特別養護老人ホーム(特養)などの建設の際にオープン半年前からの人件費などを対象に1床あたり37万6千円を補助するもので、これまでの制度の評価と今後の制度継続の見通しについて所見を求めました。関連して来年度から特養の新規入所が介護度3以上に重点化される問題を取り上げ、介護度が軽く判定されやすい認知症高齢者への対応に慎重を期すべきことを指摘しました。特別養護老人ホームなどを介護度3以上に重点化する場合、比較的軽い要介護者を対象にするグループホームなどの整備が重要となるが、その整備は特養などに比べれば低くなっているのではないか、整備促進が求められると思うがどうかと指摘し、質問しました。

 3点目に来年1月から拡大される指定難病の医療費助成を取り上げました。現在の56から110へ指定が拡大されることから、今回の補正予算に8億1千万円が計上されています。小児慢性特定疾病児童等の自立支援事業で必須事業として相談事業がありますが、それを担う自立支援員についてどう考えているか、また、自立支援員が担う役割をどう想定しているか考え方を質しました。

 

 決算特別委員会 総務企画分科会
 本 多 祐一朗 

 平成25年度の宮城県決算について総務部や震災復興企画部等の審査を総務企画分科会で行った。本多議員は特に震災復興事業の政策評価・施策評価のうち、「やや遅れている」と評価された「被災者の生活環境の確保」についてただした。

 本多議員は、被災者の生活環境の確保のため、25年度の最重点事業の1つとして取り組んだ災害公営住宅の整備は、1,351戸全体討画15,000戸の9%の完成にとどまり、遅れていること。人手不足や資材高騰など整備が遅れた理由は理解するが、重点事業であることを考えれば、県のあらゆる力を結集して遅れを取り戻すべきであること。にもかかわらず、26年度になってから、県は自ら整備する県営分1,000戸の整備を取りやめたり、県内の災害公営住宅15,000戸の整備目標を平成27年度完成から29年度完成に延ばしたことは、被災者の住宅確保としては明らかな後退である。政策・施策評価から導かれるべき事業の実施計画が矛盾しているのではないでしょうか、政策・施策評価が県行政の改善につながっているのではないか、とただしました。

 山田震災復興企画部長は「諸般の事情から災害公営住宅の整備時期を延長せざるを得なくなったが、政策・施策評価が県政の事業実施に反映されるよう今後とも改善につとめたい」と答えました。

 また、本多議員は、県が構想している広域防災拠点整備について、必要性は認めるが、場所が宮城野原運動公園になった理由や、新たな用地取得費として270億円をかけることの妥当性についてただしました。