宮城県議会2012年9月定例会の概要



 9月定例県議会は9月11日から10月11日までの31日間開かれ、住宅供給公社損失補てん110憶円をはじめとする補正予算と東日本大震災の復旧工事請負契約の承認案件などが提案されました。住宅供給公社は県内各地で住宅団地の開発、分譲などを行ってきましたが、バブル経済崩壊後の地価下落の影響を受けて負債が膨らんでいました。今回の損失補てんを機会に団地開発から撤退し、県営住宅管理運営などに特化することになりました。今回の補正予算には石巻市桃浦(もものうら)地区を対象とする水産特区に関わる予算5億5千万円が計上されました。知事が漁業関係者の反対を押し切って進めようとするもので、社民党県議団は9月19日県漁協を訪問し内容を協議しました。「何故桃浦だけ特別扱いなのか」「民間活力の活用と言っていながら県費を投入するのはおかしい」などの意見が出され、社民党県議団として県議会に反映することにしました。9月27日の予算特別委員会総括質疑、環境生活農林水産分科会などで論戦し、付帯意見を付けることになりました。

 社民党県議団では東日本大震災特別委員会で岩渕義教県議が総括質疑、本会議で佐藤詔雄県議が一般質問、予算特別委員会で岸田清実県議が総括質疑、決算特別委員会で本多祐一朗県議が総括質疑を行いました。所属の各委員会でも積極的に議論を行いました。

 意見書では「オスプレイ配備及び低空飛行訓練の撤回を求める意見書案」「『森林・林業再生プラン』に基づく具体的施策を求める意見書案」を他会派に示して協議しました。「森林・林業」については賛同を得て本会議で承認されましたが「オスプレイ」は合意に至りませんでした。



大震災復旧・復興対策特別委員会  岩 渕 義 教 議員 (9/11)


 大震災復旧・復興対策調査特別委員会が9月11日に開かれ,会派を代表して岩渕県議が,村井知事に対して質疑が行われた。

 その主な質疑の内容は(1)災害公営住宅の整備(2)被災住宅再建対策(3)心身の健康対策等について質した。

 @復旧・復興が緩やかなペースで進行し,そのテンポを早めていく必要があるが,亡くなられた方々やその家族の気持ちに寄り添い,大震災を風化させてはならないことが重要だと思うが,知事の所感はどうか。

 A災害公営住宅(復興住宅)の整備は,災害により住宅を失い,自力での住宅建設が困難な方に対して安定した生活を確保してもらうための公営住宅となっています。県全体としての復興住宅整備計画は,平成27年度まで約15.000戸,そのうち県は,5.000戸を市町に対して建設支援,1.000戸は県営住宅とされているが,整備計画の進歩状況を示せ。

 B被災住宅再建対策の国の支援制度では住宅再建費用の一部しか賄えず,被災地では同じ被害を受けながら,災害危険区域から外れた被災者は,生活再建や復興が大きく遅れる。被災市町は独自支援策を打ち出していますが,その支援内容は,市町の財政力の違いもあって著しい格差が生じている。国は,住宅再建支援の財源として復興交付金等を活用するなど制度改善も含め対応すべきであり,県としても被災市町間の格差を埋める対策を講じるべきだがどうか、など質した。

 県当局は,災害公営住宅6.000戸分について,今年度中に着手される見通しを示した。現在,21市町のうち10市町20地区で1.777戸が事業着手され,今後,12年度は,県が市町に代わって建設する受託分や都市再生機構の受託分,仙台市の事業着手分を合わせ,約4.200戸の事業着手を見込んでいる。ことを明らかにした。また,災害危険区域外の被災者への住宅再建支援についても国への要望活動に一層努めていくと,答弁した。



本会議一般質問  佐 藤 詔 雄 議員 (9/21)  


 本年八月に発表した東京電力福島第一原発事故に伴う農林水産物風評被害の実態について一般質問を行ったので主要な部分について報告致します。

 本年産米の放射性物質検査については,検査地点を昨年の約10倍としているが,食品に含まれる放射性セシウム基準値の改正に伴い,検査機器の精度を上げ検査限界値を低く設定しているため,百ベクレル以下であっても数値は公表。国は消費者に検査数値の意味と安全性を的確に説明すべきと言っているが県はどんな対応をとっているのかと質問。

 県からは,今年4月1日から一般食品中の放射性物質の基準値が百ベクレルとなったことから県民への周知を図るため,今年5月の宮城県政だよりに知っておきたい放射線・放射能のことの特集を組んでところあり,さらに県ホームページ放射能情報サイト宮城において,県が実施した食品の放射性物質の検査結果をすべて公表している外,県内における放射線や放射能に関する情報をわかりやすく掲載している,本年度産米の放射性物質検査を現在実施している,基準値以下の米だけが販売され,安心して召し上がっていただけることをPRしていくと回答があった。

 次に風評被害対策の具体的取り組みに関して、県は先月,原発事故に伴う農林水産物風評被害の実態に関する調査結果を発表したが結果をどう受け止めるのかとの質問に対し,農林漁業者や関連業者から風評被害に苦しむ声が数多く寄せられており,迅速で確実な賠償の実現と風評被害対策の強化が必要であると改めて認識したとの答弁であった。また公営住宅の整備方針について質問し、恒久的な住宅早期着工は,被災者の生活再建における最優先課題として認識しており,特に災害公営住宅については,自力で住宅を確保することが困難な方々に一日でも早く落ち着いた環境のもと,安心して生活できるよう整備の促進を図ることにしている、災害公営住宅の整備戸数については市町の調査結果に基づき,今年4月に整備戸数を1万2千戸から,1万5千戸に見直しを行ったところであると答弁があった。




予算特別委員会総括質疑  岸 田 清 実 議員 (9/27)


 議員全員で構成される予算特別委員会で社民党県議団を代表して総括質疑を行いました。・
 
 補正予算に含まれた水産特区関係の項目を取り上げ、予算の精度などの問題点を指摘しました。県議会開会に先立つ県当局からの議案説明では水産特区関係の予算について大まかにしか説明されませんでした。しかし、今回の予算は桃浦地区に限定して5億5千万円が措置されていることから、事前にその積算の根拠を求めましたがなかなか示されません。何回目かの求めでようやく予算額に見合う内訳が出ましたが、かなり大まかなものでした。また、桃浦地区の漁民が水産特区のために設立した合同会社の財産取得計画と補正予算が整合せず、地元との協議がどこまで進んでいたのかも疑問でした。このような経過を踏まえて、特定の地区に対する予算措置にしては精度・熟度が不足していることを指摘しました。

 私の指摘に対して知事は「桃浦地区に限った予算ではない」とそれまでの県当局の説明と異なる答弁を行ったことから、当局内部で答弁が食い違っていると指摘しました。質疑時間が迫ったことから指摘した内容は予算分科会の議論に譲ることにし、最後に福島第一原発事故の放射能汚染物の取り扱いについて質疑しました。

 8千ベクレル超は国が処分することになっていますが、それ以下は一般廃棄物として自治体が処理しなければなりません。県内では稲わら4千8百トン、牧草11万トン、しいたけのほだ木最大170万本など大量の放射能汚染物があります。市町村との協議を県の所管ごとにバラバラに行うのではなく、県庁内に統一窓口を設置すべきことを求めました。



決算特別委総括質疑  本 多 祐一朗 議員 (10/4) 


 宮城県の平成23年度決算と財政運営について総括質疑を行いました。東日本大震災からの復旧・復興事業を中心に23年度県予算は2兆4千億円と莫大な金額に膨らんだが,年内に使い切れず,翌年度に繰り越しした金額が4380億円にのぼり,そのうち4087億円を災害復旧費が占めます。ほんだ議員は「事業の執行の遅れは復旧・復興の遅れに直結する。毎年巨額の繰り越しを出せば,来年度以降,国からの予算の減額につながる恐れがある」と指摘。予算の執行率改善を求めました。

 また,ほんだ議員は「これから被災地の住宅再建支援策が本格化するのに伴い,自治体が住宅再建支援策を打ち出す意味でも復興基金の増額に期待が大きい」と指摘。被害の大きさに比べ宮城県は岩手県の復興基金の原資となった特別交付税の配分額が少ないことから,増額に向けて知事の考えをただしました。村井知事は「自治体にとって使い勝手のよい復興基金は住宅再建をはじめ復興事業に極めて有効増額を粘り強く国に働きかけたい」と述べました。

 また,県の「政策評価・施策評価」では復旧・復興事業を概ね順調であると評価している点について「県民の意識とかけ離れている」と指摘,改善を求めました。

 「みやぎ発展税」の5年間延長について,仙台市議会からも出されている意見を踏まえ「製造業に限らず都市型産業にも立地奨励金の対象を拡大すべき」と求めました。県は「今後の状況を見ながら検討したい」と答えました。

 ほんだ議員が所属する保健福祉委員会では,県が見直しを進めている地域医療圏で新たに石巻・登米・気仙沼医療圏,大崎・栗原医療圏に再編する案に対し,「栗原,気仙沼の地域医療の後退につながらないか」ただしました。岡部部長は「再編後も栗原,気仙沼,登米の地域医療充実を引き続き図りたい」と述べました。

 さらに乳幼児医療費助成制度が宮城県は全国最低レベルにあることから「対象年齢の引き上げなど一層の拡充」を求めました。