宮城県議会2012年2月定例会の概要


 2月定例県議会は2月16日に開会し、3月16日まで30日間開かれました。今議会には、128議案が提案され、とくに東日本大震災からの復興を目指し、24年度当初予算に総額で2兆498億円、23年度補正予算に1103憶円の予算案が提案された。このうち震災関連予算は1兆667億円の巨額にのぼり、被災した道路や港湾、漁港、農地、下水道施設の復旧費や病院・福祉施設の建て替え、中小企業や農漁業の再建、がれきの処理費用などが盛り込まれた。

 社民党県議団は本会議や各常任委員会などで、今回の県の予算案が産業の再生に力点が置かれた反面、被災者住宅再建関連の県独自事業の予算が岩手県の5分の1と少ないことから、住まいの再建に向けた予算の増額を求めた。また、東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う、放射能汚染に関し、県の対策が遅れていることから、健康調査や除染対策、汚染稲わら処分等の対策を急ぐよう求めた。

 今議会には、県内35の市民団体から提出された「放射能被害から子どもや妊婦の健康を守る請願」が提出され、担当の保健福祉常任委員会で審査が行われました。同委員会の社民党ほんだ祐一朗県議の提起で参考人意見聴取が行われ、丸森町長など6人から意見を聞いたうえで委員会の協議が行われました。ほんだ祐一朗県議は採択を求めましたが、自民党、公明党により請願は継続審査となりました。



本会議一般質問  岸 田 清 実 議員 (2/26)


 大震災からの復旧・復興にかかわる各種施策と福島第一原子力発電所事故による放射能汚染対策について質問した。

 復旧・復興施策でまず取り上げたのは住まいの再建です。岩手県では一戸当たり最大565万円の各種助成制度が整えられたが、宮城県では各種制度をあわせても最大108万円で大きな差があります。また、宅地被害の再建では仙台市が最大1000万円の助成制度を設けたのに対して制度を持たない自治体もあり、県内での自治体間格差が懸念されます。住まいの再建へ県が全県的な制度創設を行うべきだと求めました。その他、企業再建の取り組み、復旧工事の入札不調対策などについて知事の所見を求めました。

 大綱2点目に、放射能対策を取り上げました。県では「有識者会議」の結論に従って健康調査は不要の立場をとっており、わずかに丸森町の一部地域で83人を対象に一度きりの検査を行っただけです。県として継続的な健康調査を求めました。また、稲わらや牧草が放射能に汚染され、酪農家、肉牛農家などが苦しんでいる実態を具体的に指摘し、各種対策を求めました。東京電力から補償が出るとはいえ3ヶ月後であり、今後の見通しも見えないことから不安が広がっています。県は農家の立場に立って対応するよう併せて求めました。最後に、女川原子力発電所の再稼働に県は同意すべきでないと指摘し、知事の所見を求めました。



予算特別委員会総括質疑  岩 渕 義 教 議員 (3/8)  


 3月8日、予算特別委員会が開かれ、社民会派を代表して岩渕義教県議が総括質疑を行った。

 第一点は震災復興と予算規模について取り上げた。@政府が被災から5年間の集中復興期間に投じる事業費19兆円のうち、すでに18兆円になっており、残る1兆円で復興に必要な事業費は十分とは言えないA復興庁は被災地ニーズにワンストップで対応すべきB多重防御による災害に強いまちづくりには盛土構造の道路は必要不可欠であり、復興交付金の対象事業に該当するよう国に認めさせることが必要C復興事業はスピードが必要、国はどうこたえているのか、などを知事に質した。

 第二点は放射能被害対策について以下の点について質疑しました。

 @福島第一原発事故以来、風評被害という言葉で言い表されているが、正確な意味としては放射能による実害と思うがどうか。

 A原子力損害賠償紛争審査会の最終指針はいつ出されるのか。また、中間指針では地域指定で除外されている農水産物や観光被害に本県が含まれるためにどんな働きかけをしているのか。

 B採草地除染について、今年度と来年度の予算は合計2500ヘクタール分だが、全県の採草地は13000ヘクタールあり、採草地全体の除染の見通しについてはどうか。

 C汚染度合を調査して順次除染するとのことだが、除染の時期によっては農作業や代替飼料確保にも影響がある。汚染度合の調査完了と除染作業の時期についてどう見込んでいるか。

 D米直販農家の実害について県として同調査し、損害実数をどの程度と把握・積算しているか。また、損害賠償請求手続きについて被害者にどう指導しているか。

 これらの他、待機児童解消推進事業や被災地で合同保育を余儀なくされている事例の解消、放射能汚染濃度が高い保育施設環境を早期に改善を図ることなどを質した。

保健福祉常任委員会  ほんだ 祐一朗 議員

 保健福祉委員会では、総額1873億円余の保健福祉部関係の当初予算案等を審議した。

 ほんだ祐一朗県議は約26,000戸に被災者が入居している民間賃貸住宅の「みなし仮設」の入居期間が2年間に限定されている問題について「残り1年間で被災者が新たな住居に移転する見通しは立っていない。少なくともプレハブ仮設のように2年後以降も1年ごとに期間を延長すべきだ」と求めた。

 また、入居待機者が12,000人を超え、深刻な施設不足の状況にある特別養護老人ホームの整備計画を巡って議論し、「県が整備目標として掲げる在宅の要介護度3以上の待機者数は2,928人と、3年前の2,200人よりも増えている」と指摘、整備のスピードアップを求めた。県執行部は、目標のうち既に1,237床は設置が決まり、残りの1,691床は12〜14年度の第5期高齢者元気プランの3年間で整備する方針を示した。ただ、在宅以外にも病院や老健施設での特養待機者(要介護度3以上)が合わせて3,455人に上ることから、ほんだ県議はさらなる整備の加速化を求めた。

 福島第一原発事故の対応として、県民の健康への影響に関連する予算が、わずか150万円しか計上していない点について、各議員から不満が噴出。ほんだ県議はとくに18歳以下の子どもや希望する妊婦への健康調査の実施やガラスバッチの配布などを求めた。


経済商工観光常任委員会  佐 藤 詔 雄 議員

 委員会で焦点になったのは政府から予算が減額され一部予算額が不透明のまま提案されたことである。震災復興事業は基本的な考え方は、これまでの経済活性化の実現に向けた歩みを着実に将来へつなぎ、経済基盤を再構築するため、ものづくり産業の復興と、商業・観光の再生、雇用の維持・確保を図ることである。そのための復興への取組施策として経済・商工・観光の復興、ものづくり産業の復興、商業・観光の再生、雇用の維持・確保の三項目に分け、主な事業を提案している。震災復興の最大の課題は雇用の維持・確保であることから、中小企業債務問題対策事業・緊急雇用創出事業臨時特例基金事業費・雇用維持対策事業・地域商業等事業再開支援事業等であるが、内容はいずれも期間が限定されており、不透明の部分が多い。無論予算の大半は政府からの助成金であることから今後政府に対し強力に働きかけを行うということで確認した。