宮城県議会2010年2月定例会の概要



県議会2月定例会は,2月17日に招集され,3月17日までの28日間開かれました。今議会には総額1兆1,590億円の平成22年度当初予算案をはじめ国の第2次補正予算などに伴う県の2月補正予算など,91件の議案が提案され,全議案を可決し,閉会しました。

 村井県政2期目初めての当初予算となった22年度県予算は,従来の企業誘致重視の姿勢に加え,社民党県議団をはじめ議会側が求めていた子育て支援や特養ホーム整備,特別支援学校新設など,これまで遅れていた福祉や教育分野の課題にも配慮した編成内容となりました。しかし,県財政の台所事情は依然として厳しく,県税収入が3年連続で大幅に落ち込むため,前年度に比べ43%も多い812億円の臨時財政対策債を発行することになり,このため県は平成22年度から25年度までにわたる第3期財政再建推進プログラムを策定し,歳入確保と歳出削減策に取り組むことになりました。

 今議会の焦点となったのは,県執行部が平成23年4月に導入を目指す「みやぎ環境税」です。個人県民税均等割の現行1,000円に1,200円を上乗せし,法人県民税均等割に10%アップの超過課税を課すというものです。

 これに対し社民党県議団と改革みやぎは,個人県民税の均等割の超過課税1,200円を600円に削減する修正案を共同提出しました。修正案の提案理由については,次の通りです。


修正案の提案理由(要旨)

今議会に提出されております議第26号議案 宮城県県税条例の一部を改正する条例は,県民税に超過課税を課し,いわゆる「みやぎ環境税」を創設しようとするものであります。具体的には,個人県民税均等割に1,200円を上乗せし,法人県民税均等割に10%の超過課税を課すというものです。

 私たちは,このうち個人県民税均等割の超過課税1,200円を600円に減額するよう修正案を提案するものであります。

 以下その理由を述べます。

 まず,私たちは地球温暖化対策の重要性については,当然のこととして共通の認識を持っており,早急な対策の必要性を認めていることはいうまでもありません。しかし,経済不況で生活に苦しんでいる県民になぜいま,全国一高い環境税を課すのか,はなはだ疑問であります。仙台市で言えば概ね100万円の年収がある給与取得者はみな課税対象となり,低所得者には重い負担となるなど,到底県民の納得を得ているとは思えません。

 すでに全国で30県が独自に環境税を導入済みですが,他県の場合は二酸化炭素吸収源対策としての森林環境税であり,森林整備に主眼が置かれ,税額も平均で約600円と低く設定しております。今回の「みやぎ環境税」はこれに加え,排出源対策としてクリーンエネルギー普及にも充てるため高い額率設定になっております。しかし,排出源で言えば,増加傾向にあるとはいえ民生家庭分野は全体の18%にすぎません。にもかかわらず,税収16億円のうち13億円すなわち81%を個人県民税に課すというのは税の公平性の考え方からも問題ではないでしょうか。

 また,「みやぎ環境税」の使途として説明されている事業は,今議会でも議員から指摘されているように,既存事業がほとんどであり,新規性,緊急性に乏しい事業と言わざるを得ません。そしてさらに,国では現在,「地球温暖化対策税」の平成23年度導入をめざしており,そこで検討されている事業は,「みやぎ環境税」で説明されているクリーンエネルギー利用推進事業と相当程度重なる可能性があるものであります。

 よって私たちは,「みやぎ環境税」の使途を「二酸化炭素吸収源としての森林機能強化」「生物多様性・豊かな自然環境の確保」「やすらぎや潤いのある生活空間創造,人と自然の交流促進」に事業を絞り込むことを提案するものであります。これらに必要な事業費は5年間で45億円であります。

 今回,個人県民税の均等割の超過課税を600円とした場合,年間の税収は9.5億円ほど見込まれ,5年間で47.5億円となり,これらの事業を推進する財源は確保できるものとなっております。

 以上,提案の説明とさせていただきます。ぜひ議員各位のご賛同を賜り,可決下さいますようお願い申し上げます。

 
 しかし,この修正案を採決した結果,社民,民主,共産会派の18名が賛成したものの賛成少数で否決され,結局,自民・公明会派の賛成多数で「みやぎ環境税」は原案通り4月から導入が決まりました。

 社民党県議団は,この「みやぎ環境税」のほか県高等看護学校の入学金新設や授業料引き上げにより,初年度納付金を一挙に5倍以上に引き上げる条例案や職業能力開発校の入学者選抜手数料・証明手数料を新設する条例,県立3病院を非公務員型の地方独立行政法人にする条例に反対しました。



本会議一般質問  佐 藤 詔 雄 議員 (3/3)

                

今議会は、2010年度新年度の当初予算を決める重要な議会と言うことから、

1、2010年度財政度運営の基本姿勢について、2、宮城県不忘園の民間移譲について 3、農業問題についての課題について質問した。

1、財政運営の基本姿勢について

 新政権の予算案は、5つの基本理念の下、公共事業を大幅に削除する一方で、子供手当て、高校無償化、農家戸別所得保障等を盛り込み、社会保障関係費を伸ばしたことが特徴だ、知事2期目最初となる来年度当初予算について、国の予算と比較しながら、どんな基本理念で編成したのか、また、その特徴は何か、更に、目指す本県の姿はどうか、また、地方財政計画では、財源不足を地方交付税の確保と臨財債の大幅増で埋め合わせしている。このため県の当初予算案は臨財債を812億円も発行し、退職手当債や行政改革推進債に依存するなど、借金頼みの編成となった。県独自の歳出削減策も限界に近づく中、三位一体改革以来の構造的財源不足について、抜本的改善策を国に求める必要があると思うがどうか等、県財政の内容、今後の見通しについてただした。

2、宮城県不忘園の民間移譲について

 県は、県立施設の不忘園を民間移譲する考えだが、採算性を優先し、利用者とその家族の意見や職員の思いとかけ離れた方針である。昨年末から説明会が行われているが、家族や職員等にとっては不安が増大しており、県の情報提供の遅さに不満を抱いている。説明会の時期等は適当だったと考えているのか、また、理解を得るのに十分な説明内容だと考えているのか,問いただした。

 @ 公募先の公募条件が明らかにされていないため、 医療を必要とする方も入所できるのか。また、効率性優先で適切な施設運営なされるかなど、心配は尽きない。移譲の時期や内容は、いつ確定するのか。また、利用者、家族、職員に対する説明はいつになるのか。

 A 施設の建て替えについては、移譲後に県が応分の助成を行うと説明したと聞く、しかし、施設利用者の不安を解消するため、県が責任をもって建替えをすべきと思うがどうか。

3、農業問題について

 @ 国が来年度開始する農家戸別所得補償モデル対策事業は、農政大転換の第一歩となる農家手取りの損失補償であり、効率的経営を行うほど報われる仕組みだとされている。前政権の米農政と比較し、戸別所得補償モデル事業についての所感はどうか等質した。



本会議一般質問  岩 渕 義 教 議員 (3/4)


 大綱3点,みやぎ環境税の導入,労働環境の現状と施策展開,プルサーマル計画の導入問題について,村井知事,小林教育長に考えをただした。

 質問の主な内容は,次の通りです。

 1,みやぎ環境税の導入について

  以下7点について知事の所見を伺いたい。

 (1)環境税に対しては,生活が苦しい中で負担増となる点や,知事選挙の公約になかった点など,県民の意見が寄せられている。県では,喫緊の課題対応のために通常ベースを越えた財源が必要だとするが,そうであるならば,従来展開した施策,現状の分析,今後必要な施策,そして新税の必要性について,もっと分かりやすく県民に説明すべきだと思うがどうか。

 (2)施策の枠組みや内容は調整中と認めながら条例改正を提案するのは,拙速と思うがどうか。

 (3)本県は,法人に対してみやぎ発展税を導入し,既に他県よりも高い税負担を課している。こうした中で,具体的施策も未確定のまま,他県の森林環境税より高額となる新たな税負担を求めることについて所見はどうか。

 (4)今定例会の代表質問に対し知事は,環境税活用施策によりクリーンエネルギー製品の導入が進むことで,関連業種の需要喚起と新たな環境関連産業の集積が期待されると答弁した。これらの施策は環境面での富県戦略と言えることから,みやぎ発展税を財源に充てるべきと思うがどうか。また,環境税は,第二の発展税とも受け取られると思うがどうか。

 (5)個人県民税で年1,200円の負担は,他県に比べかなりの高水準だ。負担額を見直し超過課税の使途は,他県と同様に,森林環境整備に主眼を置くべきと思うがどうか。

 (6)国が平成23年度の導入を目指す地球温暖化対策税は,目的も使途も本県の環境税と重複している。県では環境税を独自施策に充当し,また,国税対象事業の上乗せや対象拡大に活用すると説明しているが,具体策も示せない現状では,使途の比較やすみ分けは困難だ。性急に導入せず,国の動向を見据え,具体的施策を十分精査した上で,導入の可否を判断すべきと思うがどうか。

 (7)施策の精査や県民の理解が不十分なまま税負担を求めるならば,県民参加による環境保全は達成できない。県議会特別委員会の提言は,財源確保策として新税の具体的検討を要望したのであり,使途を限定しない新税導入を求めたのではない。国の動向と具体策を精査中の現状を踏まえ,今定例会の提案で真に県民の理解を得られ,効果的な環境政策の展開が可能になると考えているのか。


 2,労働環境の現状と施策展開について

 (1)厳しい雇用状況が続き,新規高卒者の就職は氷河期再来を思わせる狭き門で,非正規雇用を選択せざる得ない現状だ。景気後退だけが理由ではなく,大手企業は業務の機械化や高度化により新規採用を高学歴者に切り替え,また,中小企業では高卒者を育てる経営体力が失われていることが,高卒者の就職難をもたらしている構造的問題だと思うが,所見はどうか。

 (2)県では,経済商工観光部と教育庁が中心となり,雇用維持に向けた中小企業対策とともに,雇用創出に向けた基金事業や訓練等の各種事業を展開してきたが,予断を許さない状況が続く。きめ細かな対策と体制づくりが必要だが,事業の成果と今後の取組はどうか。

 (3)高卒の就職希望者のうち約1,400人が職を決められないままだ。将来ある若者を一人にさせず,社会との繋がりを持たせる取組が大切だと思うが,所見はどうか。また,県の対応はどうか。

 (4)県が創設した新規高卒者就職奨励金に対し,次年度採用枠の前倒しで呼応した企業もあることから,来年度の対策についても早期の対処が必要だ。就職活動を行う新卒者に対する相談や助言の支援が大切であり,キャリアアドバイザーの複数年化や教員異動年数の考慮などが要望されていることから,県教委として改善が必要と思うがどうか。

 (5)高校生の就職活動は3年生の秋以降に始まるが,大学生の場合は前倒しされている状況だ。高校生の就職活動開始時期の問題についてどうか。

 (6)企業には地域人材育成の役割もあることから,高卒者を採用した企業による技能向上等を支援するため,補助金を支出してはどうか。


 3,プルサーマル計画の導入問題について

 (1)計画を受け入れる条件として知事は,安全性と地域住民の理解を挙げている。対話フォーラムにおけるアンケート結果では,参加後に理解が深まった人は1割増えているが,逆に理解を深められなかった人も1割増えており,住民の理解が進んだとは言えない。県では,アンケート結果を基礎資料としては使用していくと言うが,どう使うのか。

 (2)不信感を招かないよう具体的な数字の基準が求められるが,どの程度住民が理解すれば,理解が進んだと判断するのか。また,プルサーマルを必要と思う人がどの程度になれば,住民理解が進んだと判断するのか。



予算総括質疑  本 多 祐一朗 議員 (3/5)


 以下の通り質問を致しました。

1,教育の充実について

(1)高校無償化について

 高校授業料無償化に伴い16歳〜18歳の特定扶養控除が廃止され,既存の授業料減免世帯にとっては単なる増税で,自治体にとっては増収となる。そこで,入学金や教科書代等に使えるよう,給付型奨学金制度を創設すべきではないか。

(2)新政府は,小中学校1学級当たりの標準的児童生徒数の引き下げを検討し,8月までに結論を出すとしている。仮に35人学級とされた場合,きめ細かな教育のための条件整備として,本県が小学校1・2年生と中学校1年生で実施している35人以下学級を,秋田県と同じように30人学級に改めるべきではないか。


2,高等看護学校の授業等の引き上げについて

(1)県高等看護学校の学生負担として,県は入学金25万円の新設,授業料の11万8,800円から36万円への値上げなど,初年度納付金を一挙に5倍に引き上げる提案を行っている。深刻な看護師不足の中,県民の健康を守る費用として,一定の県負担は県民も納得すると思うがどうか。また,激変緩和措置は考えなかったのか。

(2)本当に生活に困窮する学生には,奨学金制度創設などの支援が必要ではないか。また,看護学生修学資金の対象に含めるべきではないか。


3,介護基盤の整備について

(1)介護施設のスプリンクラー整備について,今年1月になって県独自の補助単価が大幅に引き下げられたが社会福祉法人の負担軽減のため地域活性化・公共投資臨時交付金を活用して補助単価を復元してはどうか。

(2)特別養護老人ホーム整備について

イ,県は22年度から4年間で2,200床整備を打ち出しているが,第5期県介護保険事業支援計画の中で明確に位置づけるべきではないか。(→第5期計画に明記する,と県は回答)

ロ,利用者負担にも配慮した特養整備を進めるため,個室ユニット一辺倒から多床室整備にも補助対象が拡大し,一歩前進したが,多床室の比率は3割が上限とされている。5割まで高めるべきではないか。(→5割まで認める,と回答)

ハ,定員29人以下の小規模特養についても,多床室を補助対象とすべきではないか。(→小規模特養にも多床室を補助対象にする,と回答)

(3)福祉人材の確保策について

 介護職員の処遇改善のため,介護報酬の引き上げや処遇改善交付金事業などが実施されているが,制度の不備や使い勝手の悪さを指摘する声が強い。県としても実態を調査し,次回の報酬改定等を念頭に国に恒久対策を求めるべきではないか。(→県として実態把握を行い,国に要望していく,と回答)

このほか,第3期県財政再建推進プログラムについて質問しました。



総務企画委員会  熊 谷 義 彦 議員 (3/15) 


 総務企画委員会に提案された「宮城県県税条例の一部を改正する条例」(宮城環境税)について報告します。

 私は(1)提案された環境税が吸収源対策としての森林環境整備と排出源対策としてのクリーンエネルギー対策が提案され結果として日本一高い超過課税千二百円になっていること。(2)事業内容が既存の事業内容になっていること。(3)社会・経済・雇用状況が極めて悪化,厳しい中での増税であること。(4)国で地方環境税をの設を次年度検討していること。(5)県民への説明・理解を得る努力が不足していること。

 以上の観点から質疑を行いました。

(1)県税制研究会等では「制度設計の内容・目的・政策・施策の効果・県民への理解協力への最大限努力」と「国の財源措置がなされた政策施策と重複することがないよう,県の独自性,緊急性のある政策・施策の範囲設定等を行うこととしている。

(2)県内CO2排出量をみると産業部門28.2%,運輸部門26.5%,民生業務24%,民生家庭部門18.1%となっており,一番低い民生家庭分野である県民への超過課税を単年度税収十六億円の内十三億円の81%を徴収するという税負担の在り方。

(3)県税均等割千円のみ納税の方が八万人を超えている中,極めて大きな負担(計二千二百円)となること。

(4)知事選マニフェストに明確な環境税導入が明記されていないこと。

(5)県民税所得割への超過課税を検討していないこと。

(6)「超過課税千二百円は町内会費」とした知事発言は現下の生活実態をみない極めて不謹慎な発言であること。

(7)現在示されている事業内容に於いても,私有財産形成(所得移転)上,又,事業監視上も問題をかかえていること。

 以上の点等を質しましたが,今回の執行部提案の必然性について理解・納得ができず反対としました。