宮城県議会2009年11月定例会の概要




 11月県議会は、11月26日召集され、12月15日までの20日間開かれました。今議会には総額61億円余の補正予算案や三浦副知事の再任を求める人事案件など30件の議案が提案され,全議案を可決し,閉会しました。補正予算の主な内容は新型インフルエンザのワクチン接種に際して,国の制度に従い市町村が行う住民負担の軽減措置に対する助成や難病患者の方々の医療費負担軽減のための助成,クリーンエネルギー自動車等の普及促進事業費,宮城スタジアム改修経費などです。

 今議会は,10月に再選を果たした村井知事の2期目のスタートにあたるため,社民党では本多祐一朗議員が本会議で一般質問を行い,知事選で村井知事が約束したマニフェストと福祉,医療,子育て,教育,雇用対策など県政の課題を中心に取り上げ,知事に実現を求めました。また,予算総括質疑では,熊谷義彦議員が新型インフルエンザ対策と住宅用太陽光発電について質問しました。

 また今議会では「『ひとり親家庭』に対する支援の向上対策を求める意見書」「精神障害者に対する運賃割引制度の早期拡大等を求める意見書」「女子差別撤廃条約選定議定書の批准を求める意見書」など12件の意見書が採択され,関係機関に送付されました。



本会議一般質問  本 多 祐一朗 議員 (12/8)

                
 10月の知事選挙で村井知事が約束したマニフェストを中心に,今後の県政の課題について質問しました。要旨は次の通りです。

 1,福祉・医療について

 @県内の特別養護老人ホームの入所待機者数は1万人を超えているが,その背景に全国第46位という整備率の遅れがある。今年度から始まった3ヵ年計画では1,200床程度の整備計画にとどまっているが,まったく不十分だ。計画の見直し,拡充をすべきではないか。

 A医師・看護師不足が深刻だが,医学生修学資金等貸付制度は,20人の希望者に対し,10人程度に絞り込んでいる。また,看護学生修学資金貸付金は10年前の20分の1の32人にすぎない。それぞれ貸付枠を拡大すべきではないか。

 B救急搬送時間は年々延び,20年度は37分もかかり,全国ワースト7位だ。医療機関の受入れ体制の遅れが原因といわれるが,救急医師の養成・確保策の取組み状況はどうか。

 C本県の療養病床数は人口当たり全国最低である。にもかかわらず,県は昨年,国の方針に従い療養病床を大幅に削減する計画を策定したが,本県の実態を無視したものだ。削減計画の凍結・見直しを求めたい。

 これに対し,知事からは@特別養護老人ホームについては,自宅で待機する要介護度3以上の方を対象に4年間で2,200床整備したい。今年と来年度で約1,000床増員の目途が立った。A救急医の養成については東北大学病院に委託し,今年,石巻日赤に2名配置,救急救命センター開設につながった。今後,仙南医療圏にも設置する。B療養病床については,国の削減計画の凍結検討の方針に従って対応していく。―などの回答がありました。

 2,子育て支援について

 県内の保育所の待機児童数が今年4月1,131人(仙台市620人,県管轄分511人)にのぼり,全国ワースト7位である。国の「安心こども基金」等を活用し,県分・仙台市分ともに待機児童解消のメドが立ちつつあるとのことだが,

 @市町村の放課後児童クラブに対する県補助は,クラブ数の増加に伴い平成20年度以降,本来の3分の1から現在5分の1程度に下げているが,市町村の負担が重い。本来の3分の1補助に戻すべきだ。

 A県内企業における女性の育児休業取得率は69.9%で全国90.6%を大きく下回っている。企業に対する支援策が遅れているのではないか。

 B本県の乳幼児医療助成制度は,入院は就学前までだが,外来は2歳児で打ち切っており,全国的に見て最低レベルだ。このため,県内市町村は独自で外来について就学前まで助成を拡大しているところがほとんどで,大きな負担になっている。外来についても県の助成を就学前まで拡大すべきではないか。

 C教育効果が高いことが明らかになっている少人数学級の導入は,本県は東北の中でも遅れている。現在,小学校1・2年生と中学校1年生に35人以下学級を導入しているが,段階的に対象学年と広げるべきではないか。また,仙台圏の知的障害特別支援学校の過密・狭あい化は限界に達している。早急に増設を求めるがどうか。

 これに対し,知事からは,@放課後児童クラブの県補助率については,財政状況を見て検討したい。A育児休業については中小企業に対する啓発活動や国の「中小企業子育て支援助成金」の活用を促したい。B乳幼児医療費助成制度の対象拡大や少人数学級の対象学年の拡大については財政状況から困難である。C特別支援学校については,教育委員会で策定している整備計画を踏まえ,狭あい化解消に取り組みたい。―などの回答がありました。

 3,雇用対策について

 @厳しい雇用情勢の中,国は10月に緊急雇用対策を打ち出し,緊急雇用創出事業の前倒執行を都道府県に求めているが,本県の対応はどうか。

 A国の対策に盛り込まれた「働きながら資格をとる」介護雇用プログラムは,求人ニーズが高い介護分野の養成機関受講料と併せて,受講期間の給与支払いも対象とするものだが,事業実施に向けた県の取組み状況はどうか。また,介護職員の待遇改善のための「介護職員処遇改善交付金」の適用を受けた事業所数は,現時点でどうか。

 B来春卒業予定の高校生の就職内定率は極めて低く,多くの未就職者の発生が懸念される。高卒未就職者を対象に,学びながら働く就業訓練(デュアル)システムの構築や,県の直接雇用枠を拡大すべきではないか。

 C知事はマニフェストで立地企業を中心に新たに1万人分の雇用の場を創出するとしているが,「新たに1万人分」とは,新規雇用数を指すのか,移住者も含めた人数なのか。

 D知事はマニフェストで,民間企業における障害者の法定雇用率を達成するとともに,授産施設等における工賃平均月額を倍増するとしているが,具体的な施策はどうか。

 これに対し知事からは,@国の前倒し執行の要請を受け,緊急雇用創出事業等の追加雇用を実施したい。A介護雇用プログラムについては,来年度から実施できるよう準備を進める。B新規高卒未就職者が働きながら学ぶデュアルシステムについては,協力企業の確保や賃金水準等の課題を検討しながら判断したい。県による直接雇用については拡充を視野に入れ検討したい。C1万人分の雇用の「場」の創出については,働く方々が県民であるか,移住されてくる方々であるかの区分をしているものではない。D障害者の雇用促進については,事業主の理解と行政のサポート体制の強化を一層加速させたい。―などの回答がありました。


予算特別委員会  熊 谷 義 彦 議員 (12/10)


 新型インフルエンザ対策・住宅太陽光発電について質問

 今議会補正予算に計上されている事業費について質問しました。新型インフルエンザ対策について低所得者対策として提案されている生活保護世帯・非課税世帯無料化について

 (1)生活保護世帯の認定基準日(2)非課税世帯だけではなく離職者等も含められないのかと質し答弁では「ワクチン接種日を基準日とし離職者等は考えていない」との問題発言がなされました。又,ワクチンの絶対量が不足している中で県教委の施策変更要請(受験生の前倒し接種)は医療現場に更なる混乱をまねくものであること。予約者の接種がまた遅れる可能性が強いことを指摘しました。

 又,ワクチン接種の副作用に関しての情報提供,併せて健康被害制度の新法が制定されたことによる被害者救済への周知方法についても質疑し,徹底を計ることを強く求めました。

 今回新型インフルエンザは弱毒性ではあるが,他県で実施しているパンデミック想定の全県的訓練についても質し,「早急に検討し,実施をしたい」との答弁がありました。

 ソーラーシステムについても多くの課題があり,「設置者には売電のメリットはあるが,未設置者には逆に電気料金上乗せの矛盾がある」として改善を強く求めました。

 ソーラーシステムモジュール解体についても一般廃棄物,産業廃棄物,リサイクル法適用除外の問題等を指摘しておきました。短時間での質疑であり,不充分な回答であり,これからも議論を継続していかねばなりません。



産業経済委員会  岩 渕 義 教 議員 (12/14)


 厳しい雇用情勢が続いている。昨年末、「派遣切り」などで職と住まいを失ない、「年越し派遣村」が社会問題になった状況を再び繰り返してはならない。

 岩渕議員が所属している産業経済委員会は、来春の高卒者の就職難が深刻さを増していることから、12月14日お二人の方から「高校の就職指導の現状と今年度の内定状況」「新規高卒者をとりまく就職環境の現状」について報告され、意見交換が行われた。岩渕議員は、「10月末現在、求職者は4608人の高校生の内、就職内定者が1928人(約42%)であり、2700人が決まっていません。今お聞きしますと、このままでは2000人の若者が職を持たずに社会へとなる。そうさせてはならないこと。同時に、卒業しても高校とハローワークとの連携が必要ではないか。学校側の受け入れ体制についてどうか。」などについて、就職支援担当の先生からは、「未就職卒業生の追跡調査が必要です。キャリアアドバイザーの専門家を同じ人を二回雇えないということでなく、学校と卒業生をつなぐためにもその制限を取り払い拡大をすることが必要。」そして、学卒者には、ハローワークに行っても、学校に来いと話している。

 将来不安ものぞかせている。ニートがどっさりでてくる恐れがあることも指摘したところ、「大いにあるのではないか、非正規社員で会社が成り立っているということでない社会にしていただきたい」との言葉に、現場で生徒と共にしている先生の話に大きく頷いた。


環境生活常任委員会  佐 藤 詔 雄 議員 (12/11) 


 1,環境生活(分科会)において、問題となったのは、クリーンエネルギー普及促進加速化事業補助金交付要綱についての疑問点について問いただした。

 ひとつは当初予算では3,000件分予算化し、補助金交付要綱を策定し進められ、3,000台分の申し込み越えた5月25日以降仮受付を行ったとあるが、その後交付要綱・要領変更した。経緯ついて不明確であり、問題は予算増を伴う要綱・要領の変更を議会の承認なく行った場合は、地方自治法違反になるが、この場合が該当するかどうかである。

 提出された資料は、@クリーンエネルギーカー補助申請経過、A普及促進加速化事業補助金の経過、Bクリーンエネルギーカー補助金交付金要綱新旧対照表、交付要領新旧対照表、交付要綱(改正後) 交付要領(改正後)、の提出を受け、その後改めて説明を受け了とした。