宮城県議会2009年9月定例会の概要




 9月県議会は、9月2日に招集され、10月2日までの31日間開かれました。今議会には6月議会に続き2度目の補正予算(総額290億6,700万円)をはじめ、20年度の県一般会計・公営企業会計・病院事業会計の決算など29の議案が提案され、議案を可決し閉会しました。

 社民党県議団は、県立3病院を非公務員型の一般地方独立行政法人化するための、承継資産の確定や財務会計等システム開発などの準備経費2,550万円(債務負担行為1億1,720万円)に対し、独法化に反対する立場から6月議会に引き続き予算議案に反対しました。

 本会議では熊谷義彦議員が一般質問を行い、補正予算に対する総括質疑には岩渕義教議員、決算総括質疑には本多祐一朗議員がそれぞれ質問に立ちました。



一般質問  熊 谷 義 彦 議員 (9/14)

                
 今回の一般質問では(1)知事の政治姿勢(2)県立病院一般独法化問題(3)集団的フッ化物洗口(4)県福祉施策の四点について質しました。

(1)  については、自公一辺倒で県政運営を行い、先の衆議院選挙でも同様の行動をとりながら、政権交代が起きると「政党・団体の推薦を求めず県民党」を表明する政治姿勢を厳しく追及しました。まさに「自民党隠しし以外の何物でもなく県民を欺くもの」であることは明らかです。

(2)  については、「県の今年度重点方針にも入っていない」こと「仮に一般独法化になっても県負担金、県中期計画に拘束されること」「職員の人件費削減や患者負担の増大を招くのではないか」「県立病院の政策医療、不採算医療の後退につながるのではないか」「将来的に県立病院の一般独法化の後に民間譲渡・民営化があるのではないか」「今日の公営企業法の全適でも充分に職員採用の対応が法令上できること」「精神医療センターの医療観察法への対応の問題」「他県における病院事業の教訓」「職員・県民への説明の不充分さと拙速すぎること」等々について質しました。いずれの質問に対しても理解、納得できる答弁がなされず、極めて御都合主義、つじつま合わせの答弁に終始したことは残念でなりません。事は、県民の命に関わる重要な政策変更であり、多くの議員・県民・職員が納得できない中での予算措置は反対せざるを得ませんでした。知事選の中でも大きな争点になりうる政策課題です。

(3)  については集団的フッ化物洗口が他県でも広がりを見せ、県内でも動きがあることから質問しました。この問題はフッ化ナトリウムが劇薬であり、学者・医療関係者の間でも見解が二分されていることや外国でも多くの議論がなされていることから、導入には反対・慎重であるべきことを強く求めました。ましてや、本人・保護者への説明責任、理解・納得・責任の所在を考えれば、県内の現状においても多くの疑問が生じており、これからも議論を深めていかねばなりません。

(4)  については船形コロニーの入所施設のあり方、グループホームにおける課題を提起し、改善を求めました。近年、重度障害者の入所受入れが困難になってきており、早急に改善をしていかなければなりません。併せてグループホームの安全性、世話人の身分上の問題があり、これも実態を調査し早急に改善するため国へも働きかけることを強く求めました。

 以上概略を報告しましたが、これからも会派全体・他会派へも働きかけながら、県当局の誤りを正し、改善を図るために努めてまいります。



予算総括質疑  岩 渕 義 教 議員 (6/29)


次の2点にわたり、村井知事及び関係部長に質問しました。


(1) 介護の現状と人材の確保について。

(2) プルサーマル計画住民理解促進費について

(1)  介護保険制度が始まった平成12年以降、介護職場の労働環境の悪さから肉体的にも精神的に疲れ果てて離職率が高く、このままでは介護職場は崩壊してしまうことを指摘し、今回の補正予算に介護職員の処遇改善事業並びに障害者自立支援対策、福祉、介護人材処遇改善費(2年6ヶ月の特例)の問題点を掲げながら、正しく執行するために以下の点を質した。

 両事業は、同一の要綱や基準に依拠して執行されるのか。

 国は今年4月に介護報酬を引き上げたが、想定した待遇改善には程遠い実情だ。今回計上された介護職員処遇改善交付金でも、直接介護する職員だけが対象とされる不公平な内容だが、対象外となる職種とその理由は何か。

 実際の介護は各職種から成るチームで担っているのであり、職種を限定した支援は、職場の団結等の点で悪影響が懸念され、介護現場に馴染まないと思うがどうか。

 3年間限定の事業だが、事業終了後の職員の処遇改善についてどう考えているのか。
 福祉人材確保のため、今後の職員処遇改善は全従事者を一律に対象とし、恒久的に実施するよう、国に働きかけるべきと思うがどうか。

 新政権でマニフェストどおりに障害者自立支援法が廃止された場合、国の対応を含めて基金の取扱いについてどう考えているのか。

 今後は団塊の世代の高齢化が進み、労働力人口が減少する中で介護職員の増強が求められる。そのため、基金事業は恒久化すべきで、また賃金のみならず労働条件全般の処遇改善が不可欠だが、介護の将来に向けた対応策はどうか。

(2)  補正予算は、1,678万円が計上されている。県議会が9月2日に開会され議案が提案されて審議が始まったばかりにもかかわらず、審議中の予算案から講演会の経費として一部がすでに執行されていることから、議会軽視も甚だしいことを抗議しつつ、以下の点を質した。

 今定例会で知事は、安全性の確認のため検討会議を設置すると答弁したが、県民の安全を第一に考えた望ましい判断だ。今後は検討会議の自立性確保が課題となり、構成員の公募、会場の事前公表と傍聴の確保、公聴会の実施、議事録の公開等が求められるがどうか。

 プルサーマル計画は原発立地地域だけでなく県民全体の問題だ。事業名も「住民」に限定せず「県民理解促進費」と理解して良いか。

 今月5日の講演会は、県も主催者であるのに、石巻市及び女川町だけで開催されたのは残念だ、県民の理解を深めるため、県民が集まりやすい仙台市等でも開催すべきと思うがどうか。



決算総括質疑  本 多 祐一朗 議員 (9/28)

1 地域医療の充実について

(1)県は、ドクターバンク事業や医学修学資金貸付事業など医師確保に努めてきたが、医療法に基づく医師数の標準を満たしている県内の自治体病院の割合は56.7%と低く、依然として深刻な医師不足の状態が続いている。

 自治体病院の医師確保に向けて、県の支援策がこれまで以上に必要と思うがどうか、伺いたい。

(2)看護師の不足も深刻だが、看護師確保策はむしろ後退しているのではないか。

 例えば、看護学生修学資金貸付金は、10年前の平成11年度の20分の1に減少し、貸付人数も絞り込まれ10年前の589人から34人に激減している。

 県立宮城大学も含め、県内で養成した看護師がなかなか県内に残らないといわれる中で、この看護学生修学資金貸付制度を活用した看護師は県内の病院に9割前後の方が就職していると聞く。県の看護師確保対策を転換する時期にきているのではないか、伺いたい。

(3)本県の救急搬送時間は平成20年皮36.4分であり、平成17年度に比べて2.1分も長くかかっており、悪化している。

 搬送時間の長短が、県民の尊い命を救えるか否かを左右する。より強力かつ新たな取組みが必要と思うが、対策を伺いたい。

(4)本県における療養病床数は人口10万人当たり141床で、全国平均の274床の約半分に過ぎず、また、本県の75歳以上の人口は、2025年には37万人に増加し、療養病床に対する需要も増えることが予想される。

 また、介護型についても、政権与党のマニフェストでは、介護型療養病床削減の凍結、廃止を打ち出している。

 以上を踏まえれば、本県の療養病床削減計画は、凍結し、新たな視点で見直す必要があると思うが、いかがか伺いたい。

(5)乳幼児医療費助成制度について、入院は就学前の乳幼児まで対象だが、通院は、3歳末満までであり、2歳時で助成を打ち切っているのは宮城県の他3府県のみである。生まれ育った県の違いで医療サービスに格差が出るのはいかがなものか。他の都道府県並みに就学前までは通院にも助成するよう制度の対象を拡大すべきと思うが、どうか伺いたい。

 また、就学前の乳幼児まで、通院への助成対象を拡大した場合、県費はどの程度、負担が増えるのか伺いたい。

2 特別養護老人ホームの整備について

 県内の特別養護老人ホームの入所待機者は平成20年4月1日現在、10,829人にのぼるが、平成18年から3年間の「第3期みやぎ高齢者元気プラン」に基づく整備では673人の定員が増えたにとどまっています。また、「第4期みやぎ高齢者元気プラン」は、在宅待機者の解消に追いつけない計画となっている。入居を待ち望んでいる人々は、いつまで待たされれば良いのか。入居待機者解消に向けた対策を早急に打ち出すべきと思うが、いかがか伺いたい。

3 雇用対策について

(1)宮城県の完全失業率は全国よりも1ポイント以上高い傾向が続いている。その要因を県としてはどのように捉え、また対策を取ってきたのか。そして多様な就業機会や就業環境の創出策はどうだったのか、伺いたい。





環境生活常任委員会  佐 藤 詔 雄 議員 (9/24) 



 昨年環境生活委員会に付託され、現地調査・地元団体との意見交換を行ってきた産業廃棄物処理施設設置の課題について質問した。具体的には蔵王町小村崎地区における産業廃棄物処理施設設置許可申請について、平成21年9月3日〜同月7日に許可された案件についてです。質問内容は以下の通り。

 今日まで、地元の住民が 1、農業と観光の振興に大きな影響を与える 2、排水・粉じんによる影響や風評被害が心配 3、産廃施設設置場所から田んぼまでの距離は4〜5mしかなく汚水が流れ込む 4、資金計画が不明確であると反対してきた。

 蔵王町をはじめ反対4団体は、県に対し再三に亘り陳情を行ってきた。

 県では、平成21年9月2日、県主催による住民説明会を開催。蔵王町からは、蔵王町長はじめ関係団体の代表。県より廃棄物対策課長、仙南保健所副所長等出席し意見交換が行われたが話し合いは平行線となった。

 県は平成21年9月3日処分業変更認可、平成21年9月7日施設設置認可、町に対し許可した旨の通知において「事業者及び地域住民の代表者と生活環境保全協定を締結することが望ましい」旨を付記した。

 同時に平成21年9月15日付けで、建築基準法第51条ただし書きに基ずく許可が行われたが、それに先立つ都市計画審議会9月4日の答申において「農業や観光に被害が生ずることがないよう、事業者に対して厳格な監視・指導を行なうとともに、事業者と町などとの間で生活環境の保全に関する協定が締結されるよう働きかけること」等の付帯意見が附された。

 又、今後の対応として生活環境保全を目的とした協定の締結を町と事業者の両方に働きかけていくとともに、地域住民等の懸念する事態が生じないよう事業者に対して十分な監視指導を行って行く。としているが、問題点として田んぼは現在ほ場整備中であり、産廃施設のすぐ側であること、生活環境保全目的の協定の締結についても、町と事業者、事業者と地域住民で締結することが望ましいとしているが、県は指導していくのみであり、なんら責任もないのは問題である。