宮城県議会2009年6月定例会の概要




 6月県議会は、6月16日召集され、7月7日までの22日間開かれました。6月定例会としては平成11年以来11年ぶりに補正予算が提案されました。これは国の補正予算を受けたもので、この総額237億円の宮城県一般会計補正予算をはじめ、今議会には34件の議案が提案され、全議案を可決し閉会しました。

 社民党県議団は、県立3病院(県循環器・呼吸器病センター、精神医療センター、がんセンター)を非公務員型の一般地方独立行政法人化するため、計上された予算2010万円について、一般独法化の決定が突然であり、何故いま独法化なのか不透明であること、検討が十分に行われたとはいいがたいことから反対しました。また、名取市にPFI方式で建設を予定している県教育・福祉複合施設整備事業の契約締結(契約金額83億4000万円)について、県が営業停止処分期間中の業者を選定したことから、県民や議会から多くの批判が出ましたが、社民党県議団は過去に例がなく不透明、発注者の県の責任は免れない、として反対しました。

 本会議では、社民党から岩渕義教議員が一般質問を行い、@岩手・宮城内陸地震の対応A県立社会福祉施設のあり方B新たな県立高校将来構想、などについて執行部の見解をただしました。また、予算特別委員会では、本多祐一朗議員が代表質疑に立ち、県立3病院の一般独立行政法人化の問題についてただしました。最終日の本会議反対討論は岩渕議員が立ちました。

 一方、社民党県議団が提出した「安心して出産できる医療体制の充実を求める意見書」と「国直轄事業負担金の見直しを求める意見書」など、意見書4ヵ件が全会一致で採択されました。



一般質問  岩 渕 義 教 議員 (6/26)

                
 質問項目としては、@岩手・宮城内陸地震の対応A福祉施策B男女共同参画推進課復活B新たな県立高校の将来構想について、知事と教育長の考えをただしました。

(1) 事業再開へ新融資策〜知事、被災者支援で検討

 岩手・宮城内陸地震の対応について、13点にわたり質問しました。岩渕県議は「被災者の不公平感を是正するためにも、現制度は、全壊と大規模半壊だけが支援金の対象とされているが支援対象を細分化するよう国に求める」ことや「現制度が改善されるまで、被災者が融資を受けた際、県独自の利子補てんを実施」などを求めた。

 村井知事は、「全国知事会で積極的に発言し、国に制度改正を要望していく」「現時点では、被災者生活再建支援法の制度適用での支援を考えているが、中小企業や農家の事業再開への配慮が必要」と述べ、新たな資金の貸し付け策を検討する方針を明らかにした。また、被災地の温泉資源について、温泉の復旧や温泉施設の再開にも可能な限り配慮していくと答えた。

(2) 身体障害者療護施設「宮城県不忘園」の民間移譲方針に反対

 この園は「身体上の著しい障害のため常時介護を必要とするが、家庭ではこれを受けることが困難な最重度の方を対象」とし、現在65名が入所し、9名が待機しています。村井知事は「県内に6つの民間施設があることから、施設の必要性はあるが県立施設の必要性は薄れている」として民間移譲の方針。岩渕県議は、4月29日の社民党県議団の現地調査を踏まえ、7点にわたり「県内では、唯一看護師の24時間体制や胃ろう者の増加など民間施設では対応できない役割を担っていることから、むしろ県立施設としての必要性は高まっている」「施設利用者・家族、職員の声に耳を傾け、説明責任と合意が必要」などについてただした。県は、民間移譲の方針は撤回しませんでしたが、@障害者自立支援法に基づく新体系サービス移行後も現在障害程度区分3未満の入所している方々についても、引き続き入所することができるA家族会の方々の不安が解消されるよう説明に努めるB民間移譲に当たっては入所者に対するサービスが低下しないことを前提として検討するC老朽化に伴う必要な補修などについては、入所者の処遇に支障が生じないように行うD職員の雇用問題は大変重要なことであると認識している。継続して白石市他二町組合及び構成市町と協議を重ねるが,今後も処遇について誠意をもって対応していくなどと答えた。

(3) 新たな県立高校将来構想について

 平成13年に策定された「県立構想将来構想」が、平成22年に終期を迎え、いま新たな将来構想策定に向けて作業が進められ、「答申中間案」が発表された。再編統合と再編後の規模、中高一貫校、総合産業高校についてなど、6点にわたり教育長の所見を求めた。

 小林教育長は「県立高校の再編に当たっては、生徒減少の見通し、学科配置バランス、学校規模、各地区住民の意向も十分把握しながら進めていく」と示し、再編統合の対象校がどの程度になるのか、学校規模のあり方についてさらに検討が必要であることなど、今後、答申の最終的な取りまとめの課題となる。




予算総括質疑  本 多 祐一朗 議員 (6/29)


 県立3病院を平成23年度から非公務員型の一般地方独立行政法人に移行させるとの県の方針について、村井知事、木村病院事業管理者に考えをただしました。

質問の要旨は次の通りです。

(1) 独法化について病院関係者は皆、突然の決定と受け止めており、驚いている。いつ誰が決めたのか。

(2) 3月に決めた「宮城県立病院改革プラン」では経営形態の見直しについて、独法化した先行事例の中期目標期間終了後の評価を参考に今後も引き続き検討していくとしているが、参考にした先行事例はどこか。

(3) 中期目標期間を終了した全国の先行事例がまだない中で今回の方針は、見切り発車ではないのか。また、県立病院の経営状況は平成18年の診療報酬の大幅な引下げにより、悪化したが、その後、病院関係者の努力で19・20年度は5億円も改善している。今年度からは黒字化をめざして「県立病院改革プラン」の経営効率化計画に職員一丸となって取り組んでいるのに、何故いま、経営形態の変更を打ち出すのか。現行の経営形態(地方公営企業法の全部適用)では何故いけないのか。

(4) 知事は本会議で、一般独法化の最大のメリットは迅速・柔軟な人事制度・人材確保が可能になる点をあげているが、しかし現行の地方公営企業法・全部適用の下でも、鳥取県のように、病院局の定数条例を別途定め、人事委員会の制約をはずして迅速・柔軟な人事制度・人材確保を可能にしているところもある。現行経営形態でも可能ではないのか。

(5) 県立病院の医師の給与が他よりも低いといわれる。これが医師不足解消の足かせになっているとしたら改善が必要だが、この点についても、現行経営形態の下でも、条例改正等で対応可能ではないか。

(6) 一般独法にすでに移行した他県の県立病院では、どこも医師や看護師不足を解消できず、むしろ経営形態の変更を機に辞めていく医師や看護師が増える事態が生じている。静岡県立3病院が今年4月から一般独法に移行したが,新生児科の医師7名中5名が辞め、休診となり、再開のめどは立っていない。また、辞めていく看護師が急増し、1000人の定足数のうち、160人を新たに募集しなければならないという深刻な事態となっている。随時募集をしても3〜4人しか集まらないとのことだ。特に、看護師にとって、公務員という安定した身分と使命感をなくすことは、深刻な問題だと指摘されている。仮に、宮城県で非公務員型の一般独法化をめざすということになれば、800人もの病院職員が一挙に公務員の身分をなくすという大問題が発生する。また、知事は「処遇が低下することは考えられない」と本会議で述べており、その言葉どおり素直に受け止めるが、しかし将来的には給与や労働条件の変更もありうるような問題である。職員に不安を与えることがないよう、職員の十分な理解と納得や労働組合との十分な協議と合意が必要だと思うがどうか。

(7) 現在県立病院が抱える約31億円の累積赤字は、独立行政法人に引き継ぐのか、または精算するのか。

(8) 精神医療センターでは、医療観察法に基づく指定入院医療機関の指定の課題がある。非公務員型の独立行政法人では指定されないが、医療観察者が増加する中、この課題への対応をどう考えているか。



総務企画常任委員会  熊 谷 義 彦 議員 (6/30)

総務企画分科会での県立病院独立行政法人化の質疑は次の通りです。私からは以下の点をただしました。

 @突然に「県立3病院独法化」を提案してきているが、これまでの議会説明と異なり、拙速すぎる。A独法化のメリットとして「迅速かつ柔軟な人事制度、人材確保が可能」との答弁がされているが、医師・看護師等の不足がある中でなぜ可能なのか、他の自治体病院への影響が出てくるのではないか。B他県では一般独法化(非公務員型)によって、医師・看護師が大量に離職しているが,参考・教訓にしたのか。C鳥取県のように、職員定数を枠外にしているようなことが何故できないのか、検討したのかどうか。D県立3病院は県の政策医療として不採算であっても、他の病院ではやれない医療サービスを提供してきている。独立採算制を高めることは政策医療をやめ、県民への医療サービス低下につながるのではないか。E総務省の示した「公立病院改革ガイドライン」では経営効率化、再編ネットワーク化、経営形態見直しを言っている。まさに経済的効率性を強調し、一方で一般会計と公営企業会計の連結決算を示している。総務省の案通りの方向に県立病院を移行させるということか。F勤務、給与等の労働条件は、労働組合との交渉事項になりえても、職員個々の採用に関わる労働契約は交渉事項にはなり得ない。労働契約上の問題をどのように取り扱うのか。G精神医療センターの「医療観察法」の適用を受けるのか否か、その時期はいつごろなのか。

 以上ですが、執行部からは明確な答弁はなく、鳥取県の事例も検討していないのではないかと思われ、また、労働契約上の問題も答弁ができない状況でした。今後とも「県立3病院独法化問題」は、県民への医療サービスの観点から厳しくただしていきます。




環境生活常任委員会  佐 藤 詔 雄 議員 (7/3) 


今議会は各常任委員会の改選があり、私は環境生活委員会に所属いたしました。

 環境生活委員会では、昨年より継続審議となっている蔵王町小村崎地区の産業廃棄物等処理施設建設計画について、執行部より今日までの経過、現時点における状況について説明がなされた。そのなかで平成19年7月の事前相談の内容から、現在の施設設置許可申請書の内容は、産業廃棄物については一部数量が減少しているものの、そのほかに施設許可対象外施設を設置して処理業を開始するというもので、有価物(廃プラ)処理施設の計画もあり、閉鎖型の洗浄施設設置予定となっています。

 建設地は仙南地区・蔵王町観光の目玉でもある蔵王山系が一望に見渡せる場所でもあり、同時に、建設地のそばは土地区画整理組合が進めている圃場整備が進行中であり、地域の方々は町を挙げて反対している現状を執行部と委員会の皆さんに説明したところです。