宮城県議会2008年11月定例会の概要




 県議会11月定例会は11月27日招集され、12月15日までの19日間開かれました。今議会には総額66億1,000万円を増額する補正予算案(3件)や指定管理者の指定など、全部で63件の議案が提出され、採決の結果、全議案が可決されました。

 予算案には、国の補正予算に基づく公共事業の追加措置9億1,000万円や中小企業金融対策33億円、平成19年度決算剰余金の積立23億8,500万円が盛り込まれました。

 このほか公共施設管理運営の指定管理者への委託費179億7,300万円や年度始めにかけての公共事業等の端境期対策14億円などの債務負担行為も設定されました。

 本会議では、社民党の佐藤詔雄議員が、女川原子力発電所にプルサーマルを導入するため、東北電力が事前協議を県に申し入れている問題について質問し、「女川原発でこの2ヵ月の間に3回も火災事故が発生し、安全管理体制に問題がある」として、プルサーマルの議論うんぬん以前の重要問題であることを指摘、知事の見解を質しました。また予算総括質疑では、岩渕義教議員が、中小企業経営安定資金の円滑な貸付や指定管理者制度の公募や委託限度額の設定のあり方について質しました。

 また今議会では、社民党県議団が提出した「障害者自立支援法の見直しを求める意見書」「雇用・能力開発機構のあり方についての意見書」「食料供給体制の強化に向けた優良農地の確保と有効利用の促進を求める意見書」「WTO農業交渉及び日豪EPA交渉に関する意見書」など意見書6ヵ件、「私立高等学校等への助成強化に関する請願」など請願2ヵ件を採択し、閉会しました。 



一般質問  佐 藤 詔 雄 議員 (12/9)

                
 本会議、一般質問において、1、農業政策の現状について、2、プルサーマル計画について、3、地域における交通政策の現状について、の3点について質問を行いました。

1、農業政策の現状について

 世界的な食料価格高騰の中、我が国は国際市場での買い付けで後れを取り、食料安定供給に支障が生じる一方で、原油や食料のコスト増から生産者の経営が悪化している。食料自給率は低下しており、農地の利活用や担い手確保による食料増産と自給率向上が、緊急かつ最重要の課題であるのではないかと質問に対し、答弁は我が国においては、自給率の低下や国際穀物価格の大幅な変動、輸入農産物の国産の国産農産物生産への期待が高まっている。しかしながら、担い手の減少や高齢化の進行、耕作放棄地の増加等が課題となっています。このため限られた農地を有効に活用し、耕作放棄地の解消や担い手の確保による国内生産の増大と食料自給率の向上を目指していくことが極めて重要であると答えた。

2、プルサーマル計画について

 プルサーマルで節約できるウラン燃料は1割に過ぎないとされているが、猛毒のプルトニウムを燃やし、県民の安全と引換えに導入できると考えているのかの質問に対し、答えは、プルト二ウムは、放射性物質であることから、当然のことながらMOX燃料の製造において、厳重に隔離した状態で成型加工され、運搬等の過程においても、専用容器を用いるなど、十分な安全対策が講じられており、人が触れることは考えられないものであるとの答えであった。

 又、事前協議申し入れに際して知事は、エネルギー資源が乏しい我が国では核燃料再利用が必要で、原発立地県としてプルサーマルは避けられないと発言したと聞くが、プルサーマルを必要とする根拠は何か。との質問に対し。平成17年度に「原子力政策大綱」を策定し、ウラン資源の有効利用と原子力発電の燃料供給の安定性向上を図る観点から、核燃料サイクルを着実に推進することとしている。ウラン資源が殆ど存在しない我が国においては、核燃料サイクルの必要性は理解できるものと考えているとの答弁であった。

3、地方交通の存続の危機について

 近年バス事業者の法的整理が相次ぐなど、地方交通事業者の経営環境は大変厳しく、労働者も不安の渦中にある。一企業の努力では克服できず、国や自治体の新しい補助制度が不可欠であり、県の指導・支援が急務であるが、現在どのような施策を講じているのか。また、厳しい現状を踏まえた新たな施策展開はどうかとの質問に対し、昨今の原油価格の高騰や、利用者の減少等、地方交通事業者の置かれている厳しい現状については、県としても十分に認識しており、地域生活交通の維持確保のため、地方バス路線を運行する事業者に対しては、運行費と車両購入費の一部を補助し、支援を行ってきたところです。今後とも、地方交通の維持や充実に向けて、地方交通事業者などに対し必要な支援のあり方について引き続き検討してまいりますとの答弁でありました。



予算総括質疑  岩 渕 義 教 議員 (12/10)


 12月10日補正予算総括質疑が行われた。社民党県議団会派を代表して岩渕義教会派幹事長が質疑に立った。

 知事への質疑は(1)中小企業経営安定資金等貸付金(2)指定管理者制度の2点を取り上げて質疑が交わされた。以下、要点について報告いたします。

1、中小企業経営安定資金等貸付金について

 米国発の金融危機は世界経済に大混乱を引き起こし、日本経済・地方経済に深刻な影響を与えています。特に小泉構造改革以来、アメリカ追随、外需優先政策を取り続けてきた影響が株安・円高を増幅させていることを指摘し、本県の年末の資金繰りなど経営環境が一段と厳しさを増している中小企業者の資金調達を支援するために緊急保証制度が創設され、セーフティネット資金の需要増加に対応するため融資枠100億円増額、そのための預託原資33億円が補正予算計上されたことに、この支援が県内中小企業に円滑に実のある支援となるよう村井知事に求めた。

(1) 緊急保証制度が10月31日から、対象618業種で始まり12月10日から698業種へと拡大され、中小企業の78%がこの制度を利用できるようになった。その前提となる「市町村の認定」状況は12月3日現在で、仙台市282件石巻市121件気仙沼市35件大崎市31件など総計659件に上り、(659企業が資金調達を求めていることになる)この制度の適用業種の拡大とさらに経営環境の悪化によって市町村の認定件数・相談件数の増大を招き、ひいては、県信用保証協会・取扱金融機関の対応が、中小企業者の求めに迅速に応えるように県は努力を注ぐべきであることを指摘した。

(2) 貸し渋り、貸しはがしに拍車をかけているといわれている昨年10月からはじめられた責任共有制度について撤廃もしくは凍結を政府に強く求めるよう要請した。

2、指定管理者制度について

 県の公共施設管理運営業務委託費として、指定管理者候補者の選定の結果、99の施設が指定期間1~5年(1年1施設 3年92施設 5年6施設)が総額で179億7千3百万円(債務負担行為設定額)補正予算計上されていることに質疑が行われた。

(1) 公募した募集単位27件のうち応募が1団体だけのものは、前回が6件に対し22件、81,5%であること。また、前回は公募20件に対し63団体が応募し、今回は、公募27件に対し39団体の応募である。この結果の分析を求めた。

(2) すでに指定管理者制度が導入されている施設を調査したが、経費節減を求められ、正規職員を雇用した時のリスクが大きい為に非正規職員にシフトを考えざるを得ず、その結果、福祉現場などでは、専門性など必要なスキルの蓄積と継承ができなくなるといった問題が生じているとのこと。そこで提案ですが、ひとつは、最低制限価格制度及び低入札価格調査制度の導入をされては如何か。低価格競争による人件費の切り下げや雇用の不安定化を防ぐことに繋がり、公共サービスの維持・向上に繋がると思うがどうか。第二に、指定管理者の応募時に人材育成に対する提案を組み込まれるよう提案を行った。

(3) 流域下水道施設の指定管理について、これまでの指定管理者の県下水道公社が今回応募されていないのはなぜか。これでは「公社と応募企業の事前の話し合い」の疑いが生じ、指定管理者制度導入の意味がないことを指摘。また、この選定委員会に受益者代表の参加を求めた。



総務企画委員会  熊 谷 義 彦 議員 (12/11)

 総務企画委員会では、まず予算関係議案について@義務教育等教員特別手当(人確法)が限度額2万200円から1万5,900円に大幅に引き下げられることに伴う条例改正A教員の特殊勤務手当ての増額(非常災害、救急業務、緊急補導、修学旅行、部活動等)が提案され議論されました。

 上記案件については、国の法制度改訂に伴うものではありますが、教員の中に差別があってはならないこと、また、教員以外の学校職員が勤務した場合等、具体的問題事例をあげ改善を強く求めました。

 また、19年度決算剰余金23億8,500万円を財政調整基金に積み増し、現時点での県財政調整基金は年度当初10億円ほどだったのが、33億円ほどになりました。

 また報告事項として@消費生活センターを県庁舎内に移転することA政府の定額給付金についてB県消防広域化計画について、の3件が示され議論されました。

 まず@については「県民の部屋」が「廃止」されることや消費生活センターの土・日の活動保証の問題、及び職員身分、行政との連携強化についてAについては、一時所得に伴う課税問題や受給者確定に伴う申請困難者等の問題を指摘し、県内350億円の定額給付の課題を国に報告するよう求めました。Bについては、平成28年5月を目途に進められる消防無線のデジタル化の国助成金を使って広域消防を押し付ける国の問題点を強く指摘しておきました。広域消防の問題については、今後、広く議論を行い誤った消防行政にならないように努めていく必要があります。



保健福祉委員会  本 多 祐一朗 議員 (12/12)

 保健福祉常任委員会では、平成21年度から3ヵ年の次期介護保険事業支援計画である「第4期みやぎ高齢者元気プラン」(原案)の説明が行われました。

 この原案に対し、本多議員は以下のような問題点を指摘しながら、意見を述べました。

@ 特別養護老人ホームの待機者が県内で1万829人に達しているのにもかかわらず、3ヵ年で特養定員を1,022人増にとどめる計画では不十分ではないか。

A 特別養護老人ホーム整備について、これまでの個室ユニット一辺倒の整備方針を見直し、多床室の整備についても配慮する方針に変更したことは評価するが、その具体的な運用はどうなるのか。

B 療養病床から介護保険施設への転換については、医療機関の意向を尊重しながら、いやしくも介護難民を発生させることのないよう、しっかりした計画にすべきだがどうか。

C 在宅支援に重点が置かれているが、地域密着型サービスである「夜間対応型訪問介護」や「小規模多機能型居宅介護」については、この3年間ほとんど整備が進んでいない。計画ではこの3年間で大幅に整備することになっているが、介護報酬や人材確保、施設整備費補助など具体的な改善策はどのようにするのか。

D 24時間往診可能な在宅療養支援診療所の機能化や訪問看護師の確保が必要だが、具体的な支援策を明らかにすべきではないか。

E 要介護認定で適切な審査・判定がなされるよう新たな調査項目に対応した認定調査員や介護認定審査会委員への研修を実施すべきだがどうか。

F 利用者に合った公正・中立なケアプランの作成のため、ケアマネジャーが独立して事業が営めるよう支援策が必要だがどう考えているか。

G 深刻な人材不足の解消や介護で働く人々の労働条件の改善のため、介護報酬の改善やキャリアアップの仕組みが必要だが、国の介護報酬3%の引き上げだけでは不十分ではないのか。

H 次期3ヵ年の県内の第1号被保険者の介護保険料は、月額平均440円程度の引き上げを見込んでいるが、県内各市町村の介護給付費準備金は76億円ほど余っている。介護保険料の抑制にまわすべきではないか。

 以上を指摘しながら、執行部と意見を交わしました。

 今後、この原案をもとに、12月中に中間案を策定、来年1月にパブリックコメントを経て、2月には最終案を策定、3月に決定する予定になっています。