宮城県議会2008年6月定例会の概要




 県議会6月定例会は、6月17日招集され、7月2日までの16日間開かれました。今議会には、地方税法の改正により、県税である法人事業税収が半額になるのに伴い、「みやぎ発展税」の税率を5%から10%に引き上げる条例改正案、企業立地促進のため誘致企業の法人事業税を3年間、半額免除から全額免除にする条例改正案など29件の議案が提出され、採決の結果、全議案が可決されました。

 今議会では特に、6月14日に発生した岩手・宮城内陸地震による被災地の災害対策や生活再建支援策、復旧対策について数多くの議員が取り上げ、速やかな対策の実施を求めました。この中で、政府は被害が甚大だった宮城県栗原市と岩手県一関・奥州両市を局地激甚災害に指定(局激)する見通しであることが明らかになりましたが、地震被害全体を激甚災害に指定(本激)することについては見通しが立たず、政府の対応への疑問と同時に、今後の復旧・復興対策に大きな課題が残りました。

 社民党県議団は、被災現場の調査をもとに、各常任委員会等で災害対策と復興対策の充実を執行部に強く求めました。また、提案された議案中、後期高齢者医療制度の導入に伴う「国民健康保険法に基づく都道府県調整交付金に関する条例」の一部改正案に反対しました。これは年齢によって国民を差別するなど問題の多い後期高齢者医療制度そのものの廃止を求める立場から反対したものです。

 今議会では、社民党県議団が提出した「地方財政の充実・強化を求める意見書」や林活議連が提出した「森林・林業・木材産業施策の推進を求める意見書」、「福祉人材確保及び老人福祉施設等の整備に関する意見書」など意見書6カ件、「政府・国会に対し原油価格高騰から国民生活を守る緊急の対策を求める請願」1カ件が採択されました。



一般質問  佐 藤 詔 雄 議員 (6/24)

                
本会議において次の大綱3点について県執行部の考えを質しました。

1、農業振興策について

 農業振興のためには、農作物の品質向上や品種の研究開発を行う研究組織体制の充実が不可欠である。本県を代表する古川農業試験場のほか、農業研究に関する機関はどの程度あるのか。それら機関の役割分担や連携はどのように図られているのか等、農業研究機関に関し質問しました。

2、交通問題について

 自治体補助の見直しや原油価格高騰により、地方バス路線の維持は困難を極めている。高齢化に伴いマイカーの運転ができない人が増えてくるが、交通手段を確保する責任は国と自治体にある。本県でも、環境問題、高齢化問題、地域活性化、地域コミュニティの復興等、豊かな社会づくりに必要な課題の解決には、生活交通の再生がなくてはならないと思うが執行部はどのような方針を持っているのか質問しました。

3、宮城県授産施設等工賃倍増5ヵ年計画について

 本年3月、宮城県授産施設等工賃倍増5ヵ年計画を発表した。自立支援法では、受益者負担としてのサービス利用の1割負担が導入されており、多くの利用者が利用を削減している。負担に応じきれない方々が続出し現在でも批判が続いている。今回の工賃倍増計画は、就労支援の中で工賃を引き上げ、この負担感の軽減を図ろうとするものである。しかし、福祉現場に競争原理を持ち込み、不採算部門の縮小削減や新たな施設への負担を求めるなど弊害をもたらさないか、県の考えを質しました。




総務企画委員会  熊 谷 義 彦 議員 (6/30・7/1)



 総務企画常任委員会ではまず第1に、今回の6.14地震に関し、激甚災害の「本激」と「局激」指定について質しました。私は「本激」指定を求める立場から、国が考えている「局激」の根拠について尋ねました。いまだ被害箇所及び実態が不明な部分があるにもかかわらず、「局激」に持ち込もうとする政府の姿勢に疑問を感じざるを得ません。道路、ダム、河川、農地等々、多くの不確定な実態と2次・3次災害の恐れもある中で、早急な復旧事業を進めなければなりません。安全・安心な地域生活を確立することが何よりも重要です。県当局からは、「今後とも「本激」指定に向け被害の積算を積み上げる」との答弁があり、臨時議会、あるいはその後も災害復旧へ全力をあげることを確約しました。私も「本激」指定にさらに努力します。

 第2に、指定管理者選定委員会に外部委員を導入する条例改正案については、評価するものの、現在、県内における指定管理者制度の問題点の検証・評価・調査権限も同委員会に付与すべきであり、とりわけ、他の自治体で発生したような賃金不払い等が発生しないように調査することを強く求めました。

 第3に、立地企業に対する法人事業税を3年間全額免除する条例改正案については、現下の宮城県財政が大変厳しく、さらに6.14地震の災害復旧対策といった不測の事態と緊急な財政支出が増加することから、立地企業への理解と協力・負担を求める努力をすべきと主張しました。これに対し執行部は、企業立地を促進する重要施策の一つなので理解願いたいと答弁するにとどまりました。今後とも立地企業への理解と協力を求めていくべきだと思います。




保健福祉委員会 本 多 祐一朗 議員 (6/30・7/1)

 保健福祉委員会では、長期入院する慢性病の高齢者向け施設である療養病床の削減問題について、今年2月定例会での本会議質問に続いて質しました。

 厚生労働省は、38万床ある療養病床のうち,介護型13万床は全廃、医療型25万床は15万床に削減する方針を掲げ、それに沿って各都道府県で計画を策定するよう指示し、今年3月に各都道府県計画が出揃いました。しかし、厚労省が都道府県ごとの需要を調査した結果、医療型療養病床(25万床)は削減を断念し、現状維持する方針に転換したとの新聞報道がありました。そこで、私は宮城県の医療型療養病床3,333床を2,074床に削減する計画の見直しを再度、執行部に求めました。

 執行部からは、厚労省に確認したところ、方針を変更した事実はない、とのことである旨、答弁がありました。しかし私は、宮城県の人口10万人当たりの療養病床数が,全国で下から2番目に少ない水準にあること、このため、平均在院日数は全国一短く、患者や家族に過重な負担や不安を与えている現状を考えれば、これ以上療養病床を削減することには納得行かず、県の削減計画をあくまでも見直すべきであることを主張しました。執行部は、この削減計画には法的根拠はなく強制力はない。あくまで病院経営者の協力をお願いする計画である、と述べるにとどまりました。

 3,000億円の医療費を削減することを目的に、厚労省から出てきた今回の削減計画ですが、今後、高齢者がさらに増加することを考えれば、療養病床の削減は,医療・介護難民を大量に生み出すことにつながり、国民の生命・健康そして生活を考えた計画ではありません。今後とも見直しを強く求めて行きたいと思います。





産業経済委員会 岩 渕 義 教 議員 (6/30・7/1)

 この6月定例会において、岩渕義教県議は産業経済常任委員会、景観保全・まちづくり調査特別委員会に所属することになりました。

 産業経済委員会として取り組む内容は、@商業、工業、農業、林業、水産業の振興 A観光の振興 B雇用及び労働対策 C農地関係の調整 D土地改良事業などについて審査・調査を扱っていくことになります。

 景観保全・まちづくり調査特別委員会は、少子高齢化・人口減少社会の到来によって、経済効率だけを優先することなく環境に配慮しながら人と人とのつながりを大切にした地域コミュニティ、将来に向けて持続できるコンパクトで活力あるまちづくりを推進するため、県条例づくりをすすめていくことになります。

 特に、今常任委員会の特徴は、政府への要望について「富県宮城の実現」の推進に必要な事項について協議されました。その結果、産業集積の促進、若年者・フリーター雇用対策の推進、飼料価格高騰による価格安定制度の抜本的な見直し、WTO農業交渉・日豪EPA交渉における国内農業の維持の堅持、森林吸収源対策の加速化と林業・木材産業の支援強化などを強力に進めることとしました。

 また、岩渕県議は、岩手・宮城内陸地震の災害復旧について「被災地区と被災された方に一日も早く元気になっていただくためにもボランティアの皆さんが野菜・イチゴ・花などの収穫作業のため現地に赴きたいと聞いている。県は、応える必要があるのではないか。」当局は「道路復旧と安全確保が必要、今は難しい」と答え、岩渕県議は「ボランティアの皆さんの趣旨を大切にして、栗原市災害対策本部とも連携をとるよう」要望しました。