宮城県議会2007年9月定例会の概要



 宮城県議会の9月定例会は9月19日開会、24日間の会期で行われ、10月12日閉会しました。今回の県議会には、宮城の産業振興のためとして打ち出された「みやぎ発展税(法人事業税超過課税)」を導入する条例案をはじめ、36の議案が提案されました。特に「発展税」の問題に議論が集中、議会と執行部との間で激しい応酬がありましたが、採決の結果、全議案が可決されました。

 社民党県議団は提案された議案中、「みやぎ発展税」を新たに導入する議案と国民保護法に基づく図上訓練費を盛り込んだ一般会計補正予算案に反対し、熊谷義彦議員が本会議で反対討論を行いましたが、自民、公明などの賛成多数で可決されました。

 本会議の一般質問では、本多祐一朗議員が「みやぎ発展税」の問題一本に絞り執行部の考えをただし、また、佐藤詔雄議員が台風9号をはじめとする大雨・土砂災害対策を取り上げ、執行部の対応をただしました。一方、予算特別委員会では岩渕義教議員が総括質疑に立ち、企業立地関連予算と「みやぎ発展税」について執行部を追求しました。

 また、今議会では社民党県議団が提出した「割賦販売法の改正を求める意見書」と「UR住宅(旧公団住宅)居住者の居住の安定確立を求める意見書」など10本の意見書が全会一致で採択され、さらに、一昨年5月に発生した飲酒運転のRV車による仙台育英高生死傷事件を受け、議員提案された「宮城県飲酒運転根絶条例」が全会一致で可決、成立しました。



一般質問  本 多 祐一朗 議員 (9/28)

                

 「みやぎ発展税(法人事業税超過課税)」の問題に絞り、本会議で質問致しました。特に、質問持ち時間30分間のうち、最後の10分間は一問一答形式で村井知事とやりとりをしました。質問の要旨は次の通りです。

〇新税の導入はあまりにも唐突である。企業の皆さんに十分な理解が得られるようさらに努力すべきではないか。

〇今年7月の県内業界の景気動向によれば、「変わらず」が51%、「悪化」が38%となっており、苦しい経営状況が続いている。何故このようなときに新税の導入なのか。

〇「みやぎ発展税」は一応5年間の期限付きだが、恒常化する恐れがある。5年間の期限を明確にすべきと思うがどうか。

〇企業立地奨励金の大幅な増額が「発展税」導入の大きな目的だが、奨励金増額のために新税を導入した道府県はない。宮城県だけがなぜ新税導入なのか。

〇他道府県では奨励金を10年間や15年間などの分割支払い方式にし、毎年度の予算の範囲内で対応している。宮城県では、今回の発展税導入に際し、立地奨励金の限度額も支払い期間も明らかにしていない。今議会中に明らかにすべきだ。また、宮城県でも分割支払い方式を採用すれば「発展税」導入の必要性はなくなると思うがどうか。

〇県財政は厳しいとはいえ、一層の事務事業の見直し、各種基金の取り崩し、保有資産(土地、株式)の売却、県税収納率の向上により、新税によらなくとも、財源を生み出せるはずだが、いかがか。

〇大都市部に偏っている地方法人2税(法人事業税、法人住民税)の配分見直しが、政府で進んでおり、これが実現すれば、「発展税」は要らなくなるのではないか。




一般質問
  佐 藤 詔 雄 議員 (10/3)

 本会議において、今年、本県に被害をもたらした台風4号、台風9号の災害対策について県の対応策をただしました。

 今回の台風は宮城県の中でも、とりわけ県南地域の被害が大きく過去数十年来の被害となりました。

 台風4号では白石市小久保平地区をはじめ3地区が市道崩壊により孤立するなど白石市を中心に日常生活に大きな影響を及ぼす被害が発生しました。特に被害の大きい小久保平から河原子にぬける市道の崩壊については、県が中心に調査を進めており、完全復旧は3年を要するという答弁でした。

 同時に、台風4号の復旧の終わらぬなか、つづけて来た台風9号の被害は白石(蔵王・遠刈田)上の山線疣岩(蔵王)が崩落した件について、観光地蔵王山に通じる主要道路・蔵王町の幹線道路であることから、早期完全復旧について県の対応をただしました。

 県は遅くとも10月15日までに復旧を行うことを明らかにしました。



予算総括質疑  岩 渕 義 教 議員 (10/5)

 〇新企業立地奨励金の支払い方式について、執行部答弁の不統一を指摘し、答弁の統一を求めた結果、村井知事は「新しい奨励金制度においても分割払い方式を導入する」との答弁を引き出した。

〇企業立地促進法に基づいて、不動産取得税と固定資産税の課税免除については75%が交付税措置されます。ただし、財政力指数が0.46以上の自治体は対象外になります。本県は対象外に該当するのではないかと質した結果、対象にならないことが判明した。

〇大衡村奥田地区の仙台北部中核工業団地(総面積375ha)の住宅団地分(122ha)のうち、108ha分を工業用地に変更する案について取り上げた。特に、10年前に着工以来、現在利用されている企業は2社、2.5haの面積の情況の下で、用途変更により工業用地分362haにする必要性についてただした。その結果、工業用地拡大の理由のひとつとして、立地規模の大きい30〜50haの用地を求める企業が多くなってきており、既存の団地では対応できない状況になっていることを明らかにした。




反対討論  熊 谷 義 彦 議員 (10/12)

 私は社民党県議団を代表し、議第124号議案、平成19年度宮城県一般会計補正予算、議第134号議案、宮城県県税条例の一部を改正する条例に反対し、以下理由を述べながら討論いたします。

 まず議第134号議案は、法人事業税の超過課税、いわゆる「みやぎ発展税」を導入しようとするものであります。

 今日、企業の設備投資意欲が旺盛で国内に生産拠点を移す動きが顕著となっています。このような中で、県内産業の振興と流失しがちな有為の若者の働く場所を確保するため、県内への企業誘致を強力に促進する政策については、我々も大いに歓迎するところであります。豊かな県民生活の向上を図ることは私どもの共通の願いです。

 そして、各自治体で企業の誘致合戦が過熱する中で、奨励金の金額が、是非はともかく跳ね上がってきている実態にあることは承知をしています。

 しかし、この奨励金を増額するために、県内企業に新たな税負担を求めているところはどこにもありません。宮城県が初めてであります。なぜ宮城県だけなのか。この点が、今議会での議論を通じても十分解明されたとはいえません。

 他県では、高額な奨励金の支払方法として、10年あるいは15年の分割支払い方式をとっており、毎年度の予算の範囲内で支出をしております。ところが、今回の「みやぎ発展税」導入に関する提案では、肝心の企業立地奨励金の制度内容が明らかでなく、これではなぜ、新税導入しか他に方法がないのか、検証することはできません。仮に奨励金の枠を説明されたように100億円と仮定し、10年払い、または15年払いとすれば、毎年の資金需要は、それぞれ10億円、または7億円となります。これを毎年度の予算で本当に手当できないのかどうか、ということであります。

 本会議や予算特別委員会、常任委員会の中で議論されたように、一層の事務事業の見直しや行革努力、各種基金の取り崩し、保有資産の売却、県税収能率の向上等、あらゆる努力を行えば、あえて新税を導入しなくても、財源の調達は可能なのではないか。残念ながら、県がこうした試算を十分に行ったかどうかは明らかではありませんし、検討不足、審議不十分と言わざるを得ません。

 また政府・与党では現在、地方法人2税の配分方法を見直す方針を固め、大都市圏に集中する現状を改め、都市と地方の財政力の格差を是正する方向であり、11月にまとめる地域再生戦略に法人2税見直しを目玉として盛り込む方針と伝えられています。これが実現すれば、「みやぎ発展税」の導入の必要がなくなる可能性もあり、その動向を見極めることも重要であります。

 よって、「みやぎ発展税」導入の是非については、いまだ審議不十分であり、企業立地奨励金の制度内容や企業立地優遇税制等を明確にした上で、再度検討する余地があり、継続審議とすべきであります。よって今議会で導入を決めることには反対であります。

 次に議第124号議案、一般会計補正予算の中には、国民保護対策費413万円が計上されておりますが、これは仙台市内の鉄道が攻撃されたことを想定し、その避難誘導について図上訓練を行うための経費とされています。他県で批判が高まっている実働訓練はしないとのことではありますが、仮想敵国が具体的にはなく、税金の無駄遣いであり、また国民の危機意識をいたずらに煽りたて軍事優先の体制づくりにつながる可能性も否定できません。よって、本議案に反対し、討論といたします。