宮城県議会2007年6月定例会の概要



 宮城県議会の6月定例会は6月19日開会、16日間の会期で行われ、7月4日閉会しました。今回の県議会には「多文化共生社会形成推進条例」をはじめ26の議案が提案され、全議案を可決しました。予算議案はありませんでした。

 社民党県議団は提案された議案中、県民税の配当割・株式譲渡割の税率を引下げる特例措置を1年間延長する議案に反対し、岩渕義教議員が本会議で反対討論を行いましたが、賛成多数で可決されました。また、本会議の一般質問では、熊谷義彦議員が質問に立ち、農業政策や教育行政について執行部の考えをただしました。また、社民党県議団が提案した「障害者等の選挙権行使に関する意見書」をはじめ、「年金問題への速やかな対応を求める意見書」「国民が安心できる医療を確保するための意見書」が全会一致で採択されました。



一般質問  熊 谷 義 彦 議員 (6/27)

                
 (1)農業問題について、(2)教育問題について、(3)フィルムコミッションについての大綱3点について質疑を致しました。


 (1)については、(ア)農地・水・環境保全対策事業に関わり10アール当たり4,400円の事業が地方裁量導入により2,200円〜4,400円に採択されている基準、及び国からの財政支援措置について質しました。

 更には、「繰越金(残金)処理」「営農活動資金」等に対する国と県の見解が異なることについて、又、法人税・消費税について、特定農業団体への課税についても質しました。

 いずれも見解が異なっている点、税務当局の判断など未解明な点が残されてしまい、今後の課題となります。


 (2)については、法律改正に伴って条例改正が提案され、教職員の勤務時間から「休息時間」が廃止されることについて、文科省勤務実態調査を基に、法令上、明記されている「休憩・休息時間」が実態上、取れていないことについて質しました。

 多忙化によって、「心身上の問題を抱え、悩んでいる」、「授業研究、教材研究もできない」現状を改善するために教育行政として、多忙化解消検討委員会を設けて、具体策を明示するように強く求めました。


 (3)については、映画・テレビのロケーション現場を県内各地から選定して、地域振興を進めるよう強く要求しました。




総務企画常任委員会  本 多 祐一朗 議員 (7/2・3)

 総務企画委員会では14の議案について審議しました。このうち、県民税の配当割や株式譲渡割の税率引下げ期間を1年間延長する条例改正案に対し、本多祐一朗議員が質問。県財政への影響や地方分権に逆行する問題、格差拡大につながる点などを指摘しながらただしました。執行部は「国の法律改正に準じて」提案した旨を述べる一方、地方の課税自主権を一方的に制限するような法改正のやり方は改めるよう国に求めていく考えを示しました。

 また、「ふるさと納税」について、村井知事が本会議で導入には「慎重」であると答弁しながら、2日後の「5県知事会議」では一転、導入に「賛成」と立場を変えた問題が委員会でも議論となり、本多議員は「地方税を地域間で奪い合うことは地域格差是正の本筋ではない」「国から地方への税財源移譲を求めるのが本来の姿であるべき」と意見を述べました。




保健福祉常任委員会  佐 藤 詔 雄 議員 (7/2・3)

 保健福祉委員会は、7月2日開かれ条例議案1ヵ件、条例外議案2ヵ件、報告1ヵ件がなされ意見交換ののち採択となりました。

 特に議論となったのは、同趣旨の請願2ヵ件についてであり、ひとつは自民会派が紹介議員となり社団法人宮城県医師会が提案した「国民が安心できる医療を確保するための請願」。もう一方は民主・社民・共産らが紹介議員となり宮城県医療労働組合連合会が提出した「政府に医師・看護師の増員を求めることについて」。請願は同趣旨であることから、佐藤詔雄議員は、双方採択、また双方調整し、ひとつにまとめてはどうかと意見を述べましたたが、挙手採決の結果、医師会提出の請願は全議員賛成で採択、一方の医労連提出の請願書は、双方同数となり、委員長判断で不採決となりました。過去に同趣旨の請願は双方とも採択となった例もあり、県民にとって分かりにくい結論となりました。




産業経済常任委員会  熊 谷 義 彦 議員 (7/2)

 産業経済常任委員会には、「多文化共生社会の形成の推進に関する条例」が提案されました。この条例は、「国籍・民族等の違いに関わらず県民の人権の尊重及び社会参画が図られる地域社会の形成を促進」することを目的に作られたものです。

 熊谷議員は、パブリックコメントの状況と条例への反映について質し、県内居住外国人・団体等から意見が出され、多くが条例に反映されていることを確認し、賛成しました。




文教警察常任委員会  岩 渕 義 教 議員 (7/2・3)

 文教警察委員会は、2つの条例改正、@学校職員の勤務時間、休暇等に関する条例−継続勤務時間4時間につき15分の休息時間を廃止。A県警察本部の内部組織に関する条例−留置場を留置施設と改める。以上について、審査し、可決すべきものと決しました。

 また、県教育委員会が飯野川高校の来年度の生徒募集を停止することに対して、約6,500名の署名を添付して「高校存続」の請願が提出されました。請願者からの意見、学校長からの意見聴取が行われました。岩渕義教委員は、「2年連続して、全学年の在籍生徒数が、収容生徒数の3分の2未満であり、かつ、160人に満たない場合、生徒募集停止」という再編基準はあるものの、本年80周年の創立を迎え、県教委から学校・PTA・同窓生・住民への十分な説明責任がなされていないことを指摘し、再編基準の見直しと、緩和措置を求め、募集停止(3年後の廃校を意味する)に反対しましたが、採決の結果、請願は不採択となりました。

 尚、募集停止の要件の1年目に入っているのが、南郷高校、鴬沢工業高校の2校であることも県教委は明らかにしました。




本会議反対討論の要旨  岩 渕 義 教 議員 (7/4)

 社民党県議団を代表して議第104号議案、宮城県県税条例の一部を改正する条例に反対し、以下、反対理由を述べます。

 本議案は、平成19年度税制改正による地方税法等の改正に伴い、宮城県県税条例の関係規定を改めるもので、具体的には県民税配当割の税率を本則の5%から3%に引き下げ、株式譲渡所得割の税率も本則5%から3%に引下げる特例措置を1年間延長しようとするものであります。

しかしながら、

1、この特例措置は株価が7,000円台と下がり、株式市場が低迷していた平成15年度に導入されたものであり、18,000円前後まで回復した今日の株式市況から見て、延長する必要性は薄いこと。

2、また、今回の特例措置の延長により、本県県民税の配当割は、6億2,000万円の減収、株式等譲渡所得割は5億5,000万円の減収が見込まれ、合わせて、約12億円の減収となります。国は交付税で措置するとしているようですが、12億円のうち、25%、3億円は留保財源として基準財政収入額に算入されず、まるまる県の減収となります。また、残りは基準財政収入額に算入されたとしても、今日の交付税の総額が減らされている中では、どこまで補てんされるかは定かではありません。これだけ県財政が逼迫している中で、国が法律改正によって一方的に地方の財源を奪うようなことがあってはなりません。

3、今日、中央と地方の格差が叫ばれる中で所得格差が広がっています。内閣府の「県民経済計算」によれば、1人当たり県民所得の都道府県格差のうち、財産所得の格差の広がりが最も顕著となっており、配当受け取りの増加によって東京都の財産所得が大きく伸びていることが報告されています。格差の拡大をもたらす不公平な税制の最たるものになっているのではないでしょうか。

4、県は、今回、国の法改正に準じて、条例の改正案を提出したわけですが、地方分権に逆行し、格差の拡大をもたらし、県財政をさらに圧迫する、条例改正には賛同できません。「ふるさと納税」に賛成する前に、むしろ、国のこうしたやり方を改めさせるべきであり、また国から地方への税源移譲をさらに促進するときであることを強く訴え、反対討論と致します。