宮城県議会2007年2月定例会の概要



 県議会2月定例会は2月13日招集され、3月13日までの29日間行われました。今議会には総額1兆784億円の新年度予算や安全・安心まちづくり基本計画をはじめ、101件の議案が提案されました。新年度予算は村井県政が策定した「みやぎの将来ビジョン」を具体化する初めての予算となります。新年度一般会計予算は厳しい財政状況を反映して05年度予算に比べて2.0%のマイナスとなり、特に県単独事業や農林水産業費、土木費が減額となりました。本会議で議員側からは「安全な県土作りや足腰の強い農林水産業を築けるのか」といった疑問の声が出されました。

 一方社民党県議団などが求めていた私学助成費の増額や少人数学級の中学校1学年への拡充、乳幼児医療費助成制度への自己負担導入の見送り等が実現。また、知事が掲げる「富県みやぎ」をめざす自動車産業振興関連に8000万円余が計上されました。しかし全体としては1500事業が廃止・統合・縮小となり厳しい予算となりました。

 今議会には任期終了で退任する常勤監査委員の後任に4年前まで県会議員(自民党県民会議所属)であった遊佐雅宜氏を選任する議案が提案されました。監査委員は定数4で議会選出枠2と「識見」枠2の構成となっていました。昔は議員枠以外に職員OBが就任していましたが、監査委員改革で中立・公正性を確保する観点から外部委員を登用することとなり、現在は大学教授、人権擁護委員などが起用されていました。その「識見」枠に元県議会議員を選任するというのが知事提案です。社民党県議団は本会議で岸田清実県議が代表して質疑を行い「県民の目から見れば中立性、公正性が確保されないと映るのではないか」などいくつかの疑問について知事の所見を求めました。それに対して知事は「法律上問題なし」との姿勢に終始したため、社民党県議団は反対投票を行いました。議案は自民党県民会議などの賛成多数で可決されました。

 本会議での質問は代表質問を岩渕義教県議が行い、後期高齢者医療制度などについて知事の見解を質しました。一般質問は佐藤詔雄県議が行い、災害対策などについて質問しました。予算特別委員会総括質疑は本多祐一朗県議が行い、介護保険制度の問題点などを指摘しました。環境生活常任委員会では佐々木ひろし県議がBSE問題に関連して全頭検査の県内実施状況を質しました。文教警察常任委員会では熊谷義彦県議が小学校1・2年生の35人学級に加えて中学校1年生へ拡大することについて評価はしつつも免許外教科担任が発生することなどの問題点を指摘しました。

 意見書では社民党県議団の提案で「最低賃金制度に関する意見書」「中国残留日本人孤児の支援に関する意見書」が会派間協議で修正のうえ可決されました。一方で「日豪EPA(経済連携協定)に関する意見書」「障害者自立支援法の抜本的な改正を求める意見書」「柳沢伯夫厚生労働大臣の辞任を求める意見書」「生活保護制度の切り下げに反対する意見書」も各会派に提案しましたが合意するまでに至りませんでした。

 本会議、予算特別委員会総括質疑の概要は次のとおりです。



代表質問  岩 渕 義 教 議員 (2/22)

                

 2007年度当初予算に関連し、国の示す経済見通しが個人消費の回復を前提としていることに言及し、景気回復が家計部門に及んでいないことを指摘しました。また、県の財政再建プログラムの事務事業の見直しが「福祉・医療・教育等安心安全の公共サービス分野の切捨てになってはならない」と知事の基本姿勢を質しました。

 大崎市鳴子温泉向山地区の産業廃棄物最終処分場建設計画の反対を求めたのに対して村井知事は「大崎市の産廃処分場計画予定地における農振整備を変更しない」と答弁し、事実上建設が不可能になりました。さらに知事は「事業者に建設計画の中止を指導していく」と述べ、建設中止に向けて前進した答弁を引き出しました。

 鳴子温泉地区の国道108号線で2月17日に土砂崩落が発生したことに対して1日も早い復旧と花渕山バイパスの早期完成を求めました。

【その他の質問項目】

・仙台空港アクセス鉄道開業について

・県立高校学区制度撤廃問題について

・後期高齢者医療制度について



一般質問  佐 藤 詔 雄 議員 (2/26)

 県内における災害対策の現状、課題、今後の方向について質しました。宮城県沖地震の発生が高い確率で予想され、災害対策や発生後の災害復旧対策が重要であることを改めて指摘しました。県も「みやぎの将来ビジョン」でその対策を掲げているが、現状について知事の所見を求めました。知事からは「かつての宮城県沖地震などの教訓を踏まえながらハード、ソフト両面にわたる対策に積極的に取り組む」との答弁がありました。



予算総括質疑  本 多 祐一朗 議員 (3/2)

介護保険法改訂後の問題点を以下のとおり指摘しました。

?要介護認定の判定が軽く出る傾向があり、必要なサービスが受けられない。

?軽度要介護者への福祉用具レンタルが制限され、とくに電動ベットは医師が必要と診断しても認められず、個別の事情を無視している。

?特別養護老人ホームの入所費用が高くなり退所者がでている。費用がかかる個室ユニットの整備だけでなく多床室の整備にも補助制度を適用すべきだ。

これに対して県は、改善に向け前向きの答弁を行いました。

【その他の質問項目】

・地域包括支援センター、ケアマネージャーへの支援策について

・診療報酬改訂により「リハビリ難民」が生み出されていることへの県の対応策について

・若者の就職支援ワンストップセンター「みやぎジョブカフェ」の充実について