宮城県議会2006年11月定例会の概要



 11月定例県議会は11月15日召集され、12月12日までの28日間開催されました。今議会には2005年度決算と2006年度補正予算など26件の議案が提案され、全議案が可決されました。社民党県議団は職員給与の削減を4月に遡って適用する給与条例改正案に反対しました。

 2005年度決算は歳出で7881億円となり前年度をわずかに上回るものとなりました。ピークの1998年度が9540億円であったことからそれに比べれば約1700億円の減少となります。景気対策の減少、地方交付税の削減などが大きく、決算額の大幅な低下からも財政の厳しさが浮き彫りになりました。決算総括質疑は佐藤詔雄県議が会派を代表して行いました。 

 補正予算は総額18億6千万円余であり、近年で最低のレベルとなりました。主な内容は10月初旬の低気圧による異常気象災害対策関連経費や前年度決算剰余金の積み立てです。

 予算外議案では25件が提案されました。「だれもが住みよい福祉のまちづくり条例」改正案は指定された施設の新築等の工事完了検査後も整備基準への適合状況を検査できるようにするためのものです。「職員の給与に関する条例」改正案は人事委員会勧告に基づいて職員給与の引き下げを行うものですが、その適用を4月に遡って行おうとするものでした。法律上は不利益を遡って適用できないと解されていることから、社民党県議団は本条例改正案に反対しました。

 意見書で社民党県議団は「障害者自立支援法に対する意見書」「建設業関係の国保組合の育成、強化に関する意見書」を各会派に提案し、他会派からの意見を取り入れて修正し可決されました。「障害者自立支援法に対する意見書」では利用者負担や障害程度区分判定の見直しを国に求めています。「建設業関係の国保組合の育成、強化に関する意見書」では建設業関係の国保組合の育成・強化、国庫補助の現行水準確保を国に求めました。

 本会議の一般質問は熊谷義彦県議と本多祐一朗県議が行いました。熊谷県議は来年度から施行される「農地・水・環境保全向上対策」に対する県の対応の問題点を指摘し、大幅な改善を求めました。熊谷質問の二日後に県は改善策を発表しました。本多県議は来年3月開業予定の「仙台空港アクセス鉄道」で予定されるワンマン運行に関して問題点を指摘し、「安全性こそ優先されるべき」とワンマン運行の見直しを求めました。

 文教警察常任委員会では熊谷県議が「県立高校全県一学区制」について県教育委員会の見解を質しました。熊谷県議は「全県一学区」で仙台市の特定高校への集中が予想され、受験競争の再燃、受験産業利用に伴う父母の負担増などの懸念を指摘し、慎重な対応を求めました。建設企業常任委員会では岸田県議が一般質問での本多質問を受けて「仙台空港アクセス鉄道」ワンマン運行問題を取り上げ、「1年間は車掌乗務の体制とし、その後ワンマン運行の是非を検討すべき」と求めました。岩渕義教県議が委員長を務める保健福祉常任委員会において、本県の課題である福祉・医療に関連する請願「障害者自立支援法に関することについて」「東北厚生年金病院・仙台社会保険病院・宮城社会保険病院の存続と機能充実について」を採択し、本会議で採択されました。環境生活常任委員会で佐々木ひろし県議は「宮城県食育推進計画」について質し、環境生活部だけに留まらず教育委員会など他部局との連携が必要なことを指摘しました。

 今議会中に「応召旅費等検討会議」が行われ、社民党県議団が見解として出していた休会中の応召旅費支給の廃止が決定されました。県議会召集後に議案調査のため平日4日間は休会となります。登庁して議案を精査したり、質問を作成したりすることが多いことから応召旅費が支給されていました。しかし、議会の「会議」はないことから、社民党県議団は支給廃止の見解を提出していました。

本会議、決算総括質疑の内容は以下のとおりです。


一般質問  熊 谷 義 彦 議員 (12/5)

                
1) 「農地・水・環境保全向上対策」について
 これまでの集落説明会、市町村での説明と県の「取組方針案」が異なり、むしろ県案は国の方針から大きく後退していることを指摘し、改善修正を求めました。市町村、農家をはじめ地域の多くの皆さんの不安、要望を踏まえて知事の姿勢を質したものですが、結果的に県の第一次案を大幅に見直し、地域要望へ充分に対応できるところまで修正させることができました。国との関わりで財政措置、地方裁量等の問題点は残念ながら残りました。4月実施に向けてさらに課題解決に努力します。

2) 「宮城県立高校(普通科)全県一学区」について
 仙台一極集中などの問題点を指摘しながら県教育委員会では慎重審議を行うこと、現在の学区維持、3%枠拡大を求めました。生徒・地域に悪影響を及ぼさないよう努力していきます。



一般質問  本 多 祐一朗 議員 (12/6)

1) 仙台空港アクセス鉄道ワンマン運転について
 「来年3月に開業する仙台空港アクセス鉄道は、ワンマン運転での運行を計画しており、安全性に懸念がある。新たに導入する運転席のモニターで安全性を確認するというがそれでは不十分である。他の鉄道ではワンマン運転の場合、ホームの人感センサーやホームドア、自動列車運転装置を備え、駅員をホームに配置するなど二重、三重の安全対策を講じている。人身事故が起こってからでは遅い、はじめにワンマン化ありきの姿勢を改め、車掌を乗せるツーマン運転で安全運行に徹するべき」と質問したのに対し、知事は「ワンマンでの安全運行はできると思うが、心配の声も多いので問題点を列挙してクリアされているか検証した上でないとワンマン運行に踏み切るべきでない。仙台空港鉄道やJRに考えを伝える」と答えました。

2) その他
@改正介護保険法施行後の諸問題について
A仙台港背後地センター地区貸し出し募集について
B乳幼児医療費助成制度への自己負担導入問題について



決算総括質疑  佐 藤 詔 雄 議員 (11/22)

社民会派を代表して決算委員会において、大綱4点について質問をおこないました。

<河川地域内における不法占用(建築物等)の解消について>

1) 平成16年度126件中17年度に解消されたのは4件のみであり、平成17年度末において不法占用件数は122件となっているが、現在どのような方針で解消を図ろうとしているのか。

2) 緊急輸送道路橋梁震災対策事業については、宮城県沖地震の発生に備え対象橋梁の早期耐震化に努めるよう監査委員会より求められているが、現在どの程度進んでいるのか。

3) また災害対応型の交通安全設備事業について、宮城県沖地震の発生に備え、対象交差点の早期整備が求められているが、現在の進捗状況についてうかがいたい。

 4) 木造住宅震災対策事業については、耐地震診断士派遣事業が耐震化に向けどう機能しているのか、また市町村及び関係団体等の連携がどうなっているのか。

5) 台風11号では、白石市と蔵王町で2棟が床上浸水、12棟が床下浸水、白石川の支流氾濫により敷地が崩れた中古車買取店の建物が傾いたり、蔵王町宮地区への避難勧告で白石市内と合わせて15世帯53人が自主避難、土砂崩れや道路の冠水が相次ぎ、川崎町の国道286号線は山形県境で土砂が道路をふさぐ等災害が発生したが、現在被害者との話し合いはついたのか。