宮城県議会2006年9月定例会の概要



 9月定例会は9月13日招集され、10月5日までの23日間開催されました。今議会には予算、予算外併せて25件の議案が提案され、全議案が可決されました。

 議案の中でとくに議論となったのは「第151号議案駐車場条例」でした。県庁周辺には4ヶ所の来庁者用駐車場があり、現在は無料となっています。今回の条例改正で有料化となり、その内容は平日80分まで100円、そのあとは20分毎に100円、夜間・休日が60分毎に100円というものです。県庁への公的手続き以外の私的用事での利用が多く認められること、駐車場の回転が悪く入り口付近の路上が順番待ちに使われていることなどがその理由です。公的用務に来庁する人からも利用料金を取ることから全会派で「問題がある」との指摘が出されました。所管の総務企画常任委員会で議論となり、知事部局からは運用での見直しも表明されました。社民党県議団は「私用などの目的外使用についての有料化はやむをえないとしても公的用務で来庁する人から料金を取るのは問題」という立場で議論に臨みました。付帯意見を付して原案支持、90分まで無料などの修正案の動きがありましたが、いずれも問題があるとして委員会では採決の際に退席、本会議では熊谷義彦県議が反対討論を行って会派としての基本的な立場を表明し、採決では反対しました。

 今議会には総額25億円余の補正予算が提案されましたが、そのうち17億円は今年1〜2月に発生した凍上災(寒さによる道路アスファルトのひび割れ等)への災害復旧事業費です。そのほかにはベンチャー育成ファンド組成事業費、第二女子高他の学校施設整備費などが組まれました。

 各常任委員会でも様々な議論が行われました。文教警察常任委員会では県立高校学区撤廃、第二女子高建て替え問題について議論が交わされました。学区撤廃については受験競争再燃が懸念されること、二女高立替は現在地では無理があることを熊谷義彦委員が主張しました。会派の岩渕義教会長が委員長を務める保健福祉常任委員会では障害者自立支援法に関する参考人聴取を行い問題点を洗い出しました。建設企業常任委員会で岸田清実委員は来春開通する仙台空港アクセス鉄道が6両編成のワンマン運行で計画されていることに対して安全性に懸念があることを指摘しました。産業経済常任委員会では「みやぎ観光戦略プラン」などの計画中間案が報告され、本多祐一朗委員が積極的な議論を行いました。環境生活委員会では村田町竹の内産業廃棄物処分場の恒久的安定化対策について議論し、佐々木ひろし委員は町と住民が安心できる対策を求めました。

 意見書では「トンネルじん肺根絶の抜本的な対策を求める意見書」を各会派に提案し、全会一致で採択されました。

 本会議では会派代表質問に岸田清実議員、一般質問に佐々木ひろし議員、予算特別委員会では総括質疑に岩渕義教議員が立ちました。内容は以下のとおりです。



代表質問  岸 田 清 実 議員 (9/22)

                
1) 財政施策
 地方での税収が増えると地方交付税が減る仕組みになっているなど地方の財源対策が不十分になっている。国に言うべきはいう態度が必要だ。

2) 福祉施策
 県が「県立社会福祉施設のあり方」で県立不忘園の民間委譲を打ち出しているが、多様なあり方を模索すべきであり、入所者の処遇に不安がないようにすべきである。また職員の雇用には万全を期すべきである。
 障害者自立支援法に関連して10月1日の本格実施を前にしても準備不足、周知不足があり、市町村での混乱があることを指摘し、県としての対応を求めた。

3) 教育施策
 県立高校学区撤廃について受験競争再燃などが考えられ、その対策が示されないまま答申が出されることの問題点を指摘しました。
 教職員評価問題については2年間の試行を経てもなお効果が無いという学校現場の声を指摘し、制度の凍結を求めました。

4) 環境施策
 原子力安全・保安院の東北電力に対する「品質保証体制総点検」指示を取り上げ、女川原子力発電所の各種問題点を具体的に挙げて県の対応を求めました。

5) まちづくり三法
 都市計画法、中心市街地活性化法が改正され、大型集客施設の立地規制の強化が図られました。一方、その内容には不十分な点もあり、県条例の制定による補完を求めました。



一般質問  佐々木 ひろし 議員 (9/28)

1)  農政の転換と新しい経営安定化対策について
 国は本年7月、品目横断的経営安定化対策、こめ政策改革推進対策、農地・農地・水・環境保全向上対策を三本柱とした経営安定対策等実施要綱を策定したが、その内容は対策の対象を一定規模の認定農家や集落営農に限定したり、対策を農協に押し付けるなど多くの問題点を抱えている。来年度はわが国農政の大転換のときであるが、これらをどう認識し、どう取り組んでいくのかお尋ねいたします。

2) その他の質問項目
・土地改良の農家金利負担軽減策について
・食農、食育について
・農村女性への起業支援について
・ビオトープ活動支援について
・子育て支援と少子化対策について



予算総括質疑  岩 渕 義 教 議員 (9/29)

1) アスベスト対策について
 農業用排水路や用排水機場上屋の内壁材にアスベストが含有され、健康被害が生ずる恐れがあるので除去対策を求める。また、旧古川合同庁舎解体工事でもアスベスト含有が明らかとなった問題についても、大崎市、周辺住民への説明責任と情報公開を規定する県独自のマニュアル作成を求めた。知事は「103施設でアスベスト含有の疑いがあり、飛散する恐れのあるものを今回処理する」「市町村・住民へ説明する」「県独自のマニュアル作成を検討する」と答えた。

2) 宮城県第二女子高校舎改築事業について
 これまでは工事中の仮校舎を県第二総合運動場に建設することにしていましたが、経費節減のため現在地に建設することを県教委が検討していると聞く。しかし狭い敷地の中での校舎建設であり、仮校舎での授業には騒音など多くの問題がある。当初予定通り進めるべき。教育長は「教育環境・安全性の確保、工期が長くなる問題などから工事期間中の仮校舎は県第二総合運動場ラグビー場への建設計画の方針に変更は無い」と答えた。

3) 新型インフルエンザ対策について
 インフルエンザ薬タミフルの本県分の備蓄(大人用)を進めているが子ども用シロップは備蓄されていないという問題点を指摘した。それに対して「全国で400万人分が医療機関で確保されている。また平成21年度供用開始予定で国内製造の準備が進んでいる」との答弁が行われた。



反対討論(駐車場条例案)  熊 谷 義 彦 議員 (10/5)

 公的用務以外での利用や公的用務終了後に私的用事に出かけている事例があり、長時間駐車、周辺通路での待機車両による渋滞を引き起こしている。このことから駐車場利用の適正化については理解できるが、有料化となれば公的用務来庁者の無料化などきめ細やかな配慮が必要である。また、パスポートセンター利用者等公的用務での来庁者が第3、第4駐車場を利用できるというが、公的用務での来庁者が何故遠い駐車場を利用しなければならないのか説明できない。第1、第2駐車場も公的用務での来庁者が無料で利用できることが必要であり、本条例案には賛成できない。