宮城県議会2004年2月定例会の概要


  宮城県議会は2月18日開会し、3月16日までの28日間開かれました。今回は、総額1兆1014億円の2004年度予算案、各種条例改正案など83件の議案が知事から提案され、審議が行われました。社民党県議団は、職員給与削減条例、削減された人件費を含む一般会計予算案等に反対しましたが、修正を含み賛成多数で知事提案議案が可決されました。
 



職員給与削減条例について

  今回の議会での最も大きな焦点は「緊急経済産業再生戦略」の財源としての職員給与カットの取り扱いでした。昨年5月に突然知事によって発表された「緊急経済産業再生戦略」は県職員給料の5%カットを大きな財源とするものでした。社民党県議団は発表直後から「再生戦略」の課題や問題点を指摘し、直後の6月議会以降は毎回この問題を取り上げ、9月議会では「他の財源確保に努めること」という議会決議を社民党県議団のリードで採択しました。議会でのこのような経過もあって、当初のカット率5%が、まず3.9%へ、そして3.2%へと修正されてきました。しかし、民間との比較による人事委員会勧告にもとづく条例化という公務員給与の決定システムを踏みにじる内容には変わりなく、しかも1月19日には組合との交渉を一方的に打ち切るという暴挙を行い、労使合意の無いまま今回の議会へ「職員給与削減条例」を提出しました。当初県議会の中では、労使合意の無いまま議会に判断をゆだねる手法に批判が相次ぎ、提案のまま通過が難しい状況がありました。知事側は、新たな「財政の中期見通し」を公表し、このまま推移すれば2006年度には「準用財政再建団体」に転落する、と主張したり、知事が「職員給与削減条例」が成立しない場合は「緊急経済産業再生戦略」を中止する、と記者会見で述べるなど、議会が圧力と感じるようなことが続きました。最終局面で、自民党会派などいくつかの会派が「一年以内に財政状況等を見ながら給料削減を含む財源の見直しを検討する」との附則をつける修正案を提案しました。社民党県議団は、この修正案では労使合意や人事委員会勧告制度尊守などの問題点が何も解決していないこと、見直しの担保が何も無いこと、などの問題点を指摘し修正案に反対しました。しかし、賛成多数で修正案が可決され、条例が成立しました。条例採決の本会議では熊谷義彦県議が反対討論を行いました。反対討論の要旨は次の通り。

本会議での反対討論(要旨

3月16日 熊 谷 義 彦 
  

  緊急経済再生戦略を進めるためには「挙県一致」の体制が必要であるにもかかわらず、財源を巡って混乱が生じています。今議会に提案されている「給与削減」問題であります。
  人事委員会勧告に盛り込まれていない「給料削減」は2000年度から2005年度までの6年間のうち5年間に及び、職員の生活を脅かし、士気の低下につながるのではないかとの懸念があります。だからこそ労使の合意を得る努力を最大限進めていくことが求められています。また、知事が人事委員会勧告を無視し、自由に給与条例を作成し、一方的に議会に提案できるとするならば、現行の法制度や判例をも無視することになります。人事委員会は条例案に「遺憾の意」を表明し、社民党県議団も給料カットによらない代替財源(財政調整基金、株券、地域再生事業債、土地基金、決算剰余金等)を具体的に示し、戦略事業を進めるべきと主張してきました。
  以上申し上げたように法制上の問題、職員の士気低下、財源問題について疑念があることから反対するものであります。知事は、一日も早く労使の正常化を図り、県庁一体となって県民生活向上に寄与することを願います。



代表質問等の主な発言

  本会議での代表質問、一般質問、予算特別委員会での総括質疑など所属議員の主な発言は次の通りです。


代表質問 本 多 祐 一 朗 (2月26日
 
@ 緊急経済再生戦略と職員給料削減問題について
  公務員給与は人事院勧告に従い5年間連続で減額され、これに加え本県では、今回の提案により2004年度、2005年度の2年間給料削減になれば、人事委員会勧告によらない職員の給料削減は、6年間中5年間となる。2000年度の職員給料削減の提案の際、知事は「あってはならないこと」「異例中の異例」と述べたが、このままでは人事委員会勧告制度は形骸化することになると思うがどうか。
A 来年度予算案と知事の基本姿勢について
B 地方交付税等の減額と三位一体改革について
C 緊急経済産業再生戦略と雇用対策について
D 産業廃棄物行政について
E 「みやぎ知的障害者施設解体宣言」をめぐる諸問題について


一般質問
 岸 田 清 実 (2月27日)

@ 県社会福祉協議会、県社会福祉事業団等三団体の統合提案について
  これまでの県社会福祉協議会と宮城いきいき財団の統合に、知事は県福祉事業団を加えて三団体の統合を提案した。「地域福祉推進の中核機関」を目指すというものだが、統合までに明確にしなければならない課題は多い。とくに、県が統合提案の際に例示した各種事業を積極的に事業化することが重要であると考えるが、知事の所見を求める。
A

地方自治法改正で創設された指定管理者制度の運用について

B 県内リハビリ体制の課題と今後の県の取り組みについて


一般質問
 佐 藤 詔 雄 (3月2日)

@

国定公園の環境問題について

  国定公園の環境問題について伺います。違法物件が発覚してからある一定期間の間隔をおいて許可申請が出され、県はその都度追認したような形で許可している。約1年を経過してドラム缶を積み重ねた城砦を思わせるような別荘ができた。ここまで無責任に許可し続けたのは何故か
A

女川原子力発電所安全協定について

B 交通政策並びに交通安全対策について
・県立養護学校スクールバス運行業務について
・信号機の設置及び感応式信号機への改良について


予算総括質疑
 岩 渕 義 教 (3月5日)

@

県職員給料削減問題について

  地方公務員の給与決定は地方公務員法で明確にされており、この法律に沿って県人事委員会は給与勧告を行っている。決して知事の自由裁量で給与額を決定することを予定していない。地方公務員法に抵触する恐れがある。知事は、給与削減条例案を取り下げるべきと思うがどうか。
A 知的障害者の地域生活への移行について
B みやぎエコファクトリー立地促進事業について
C 県警報償費について

次の県議会は6月15日開会予定です。