宮城県議会2003年11月定例会の概要


  11月定例県議会は、11月18日召集され、12月16日までの29日間、開かれました。今議会では、2002年度決算の認定、2003年度予算の補正予算、条例制定および改正などの諸議案が審議されるとともに、県が三本木町に建設予定であった「保健医療福祉中核施設」に対する浅野知事の計画中止発言についても活発な議論が行われました。
  「保健医療福祉中核施設」建設は、本間前知事時代に計画されました。660億円をかけ、四つの入所型施設を集中立地する内容でしたが、浅野知事が、就任後に入所型施設の削除を中心とした見直しを行い、リハビリテーションセンターを中心とする265億円の規模に縮小させました。町から離れたところに、生活の場である入所型施設を立地することは、ノーマライゼーションの理念にそぐわないというのが主な理由でした。その計画も3年前に凍結され、今回中止にいたりました。社民党県議団は、@三本木町が県と協議の上、この整備計画と連動した施設整備を進めており、町との信頼関係を損なう結果となったこと、A全県的なリハビリシステムが整備途中であり、地域リハビリを支援する拠点をどのようにするかが示されていないこと、などを理由として、今回の知事の決断を本会議などで批判しました。
  今議会には、人事委員会勧告をもとにした県職員の賃金削減、退職手当削減を定める条例改正が提案されました。この中には、法律的に確定している不利益不遡及の原則を踏みにじり、過去の支給分の賃金をも遡って削減する内容が含まれていました。社民党県議団は、本会議で岩渕義教県議による反対討論を行い、議案に反対しました。また、県職員の退職手当削減を削減する条例改正が最終日に採決されましたが、社民党県議団はこれに反対しました。
  イラクへの自衛隊派遣をめぐって社民党県議団は、「派遣反対」の意見書採択を目指し、意見書案を準備して努力しましたが、自民党などの反対で採択まで持ち込むことができませんでした。そのため、賛同する他の会派とともに「イラク派兵に反対する声明」を発表しました。(内容は別項)

  社民党県議団は、今議会で、決算特別委員会総括質疑に佐藤詔雄県議、本会議の一般質問に熊谷義彦県議、本多祐一朗県議がたちました。質問の要旨は以下の通りです。


佐 藤 詔 雄 (11/28 決算特別委員会総括質疑)


1. 県税の収入未済額(滞納額)回収について

  県税の収入未済額は、99億6千万円余出ており、今後の滞納回収に向けてどのような具体的な取り組みを行うのか伺います。同時に、不納欠損額は5億8千万円余となっており、大半は地方税法に基づく時効完成によるものです。時効完成までの間、どのような取り組みを行ったのか、そして今後どのような取り組みを行うのか伺います。

2. その他の質問事項

 @政策評価、施策評価の違いについて
 A工事請負契約及び委託契約について
 B不用額について
 C平成14年度決算に対する知事の見解について


熊 谷 義 彦 (12/8 本会議一般質問)

1. 異常気象災害対策と農業支援について

  稲作農業は、内外からの圧力の狭間にあり、他の農産物生産とともに衰退の一途をたどっている中で、農業を再生し、地域経済を活性化するために、国に対して何を求め、県として何をなすべきと考えているか。

2. その他の質問事項

 @保健医療福祉中核施設整備事業中止について
 A農業共済金支払い時期について
 B土地改良に係わる償還金繰り延べについて
 C種もみ確保対策事業について
 DJA実施の被災組合員支持対策について
 EWTOと新農業基本法について
 F支援費制度と基盤整備の方針について
 G共生型グループホームについて


本 多 祐一朗 (12/10 本会議一般質問) 

1. 木造住宅耐震化事業の補助対象に仙台市を加えることについて

  県が新たに導入する木造住宅耐震化事業の補助対象から仙台市を除外するかどうかを巡って県と仙台市の意見が対立していると聞く。しかし、宮城県沖地震で家屋倒壊など最大の被害が想定される仙台市を加えることによってはじめて、県の政策効果を発揮できるのではないか。震災から県民の命と財産を守るため、今こそ県と仙台市を含む市町村が一致協力すべきと考えるがどうか。

2. その他の質問事項

 @仙台市の市街地再開発事業への県補助金復活について
 A県財政の現状と来年度予算編成について
 B公立高校一般入試における選択問題の導入について
 C少人数学級の導入について
 D農業共済損害評価について
 E冷害に伴う県産米学校給食事業への県補助金
 F貞山運河への堤防計画見直し・強化等、仙台市東部地区治水対策について


自衛隊のイラク派遣に反対する声明
  3月20日に始まった米英軍によるイラク攻撃によって、イラクのフセイン政権は崩壊に追い込まれた。しかし、5月1日にブッシュ大統領が戦闘終結を宣言した後も、米英軍に対するゲリラ攻撃が続き、死者の数は戦闘終結前を大きく超えるに至っている。イラクの治安はいっこうに改善せず、住民の反米感情は高まるばかりである。ついに、11月29日には日本人外交官2名が襲撃され死亡する事件が発生し、日本政府は、反米武装勢力によるテロの可能性が高いとの見方を示している。
  日本政府は「イラク復興支援特別措置法」を制定し、自衛隊をイラクに派遣しようとしているが、自衛隊に対する具体的なニーズが存在しないまま、米国の要請に応えるためだけに、実質的な戦地に自衛隊を送るという事態を法律は認めていない。米英軍占領下での自衛隊の活動は、明らかに占領政策への参画であり、「自衛隊の占領行政への参画は違憲」としてきたこれまでの政府見解に反することも明らかである。
  しかも、米国がイラク攻撃を行う理由とした大量破壊兵器は、いまだに見つかっていない。そもそも国連決議なき武力行使は許されないことであるが、大量破壊兵器という「大義」すら不確かなものであったならば、米英のイラク攻撃・占領には一片の正当性もないと言わざるを得ないのである。日本は正当性を欠いた米英の占領統治に参加するべきではない。
  イラクの復興に当たって、日本の果たす役割は、医療や食糧援助、生活インフラの再建等に限るべきであり、自衛隊を派遣することのないよう強く求める。

     平成15年12月16日